西東 たまき
(更新)
普段、英語の勉強中に分からない単語があったら辞書を使って調べますね。
ところが、単語によっては説明を読んでもスッキリ理解できないものも少なくありません。
似たような単語がある場合は違いが分からないと使い分けできませんし、ニュアンスがつかみ切れない言葉は使うのに不安です。日本語や日本文化にはないものだと容易に想像もつきません。
そんな時に利用してみたいツールが「グーグル画像検索」です。
本記事では、グーグルの画像検索機能を英語学習に役立てる3つのヒントをご紹介します!
TOP Photo: Kvitka Fabian / Shutterstock.com
グーグルで検索することを日本語で「ググる」と言うように、英語でも "Google” は「グーグルで検索する」という意味の動詞になっています。
それほどまでにインターネット利用に欠かせないグーグルの検索画面に、「画像」というタブがあり、ここから検索すると画像に絞った検索結果が現れます。
例えば、「庭」という意味を持つ “garden” と “yard” という二つの単語を考えてみましょう。
筆者の手元の辞書には、それぞれ下記のように定義されています。
どちらも「庭」ながら、両者には違いがあるようだ、ということまでは分かりますね。しかし、単語を使い分けられるほどの具体的イメージは沸きにくいのではないでしょうか。
そこで役立つのが「グーグル画像検索」です。
“garden” を検索すると次のような画像が並びます。花が咲き乱れ、手塩にかけて育てている庭という感じがします。
△ "garden" の検索結果
他方、 “yard” の画像は芝生があるだだっ広いスペースが各画像の共通のイメージになっています。
△ "yard" の検索結果
多数の画像から「共通性」を見出すことが理解のポイントです。
辞書の説明を読むより、これらの画像を見て共通イメージをつかむ方が簡単かつ、より正確に意味を理解できると思いませんか?
もう一つ例を見てみましょう。
“earth” と “globe” という単語はどちらにも「地球」という意味があります。けれど、これも画像を見れば両者の違いがよく分かりますね。
△ "earth" の検索結果
△ "globe" の検索結果
“earth” は「惑星の一つとしての地球」、“globe” は「私たちが住んでいる場所としての地球」であると違いを察することができます。
このように、「辞書の説明では分かりにくいな」と思ったときは画像検索を試してみてください。すべての単語に対して明快な画像が出てくるわけではありませんが、上記例のように、単語によっては一目瞭然に理解できます。
「使える英語」を身に付けるには英語を「和訳」ではなく「感覚的に」理解することが大事ですが、画像イメージを利用して単語を覚えるようにすればそれが可能になります。
日本語であれば一つ、二つの言葉で言い表せるのに、英語だと複数の単語を使い分けなければならないケースがありますね。
「書類」という意味の英単語 “document” と “form” も画像なら違いが明らかです。
△ "document" の検索結果
△ "form" の検索結果
どちらも「書類」ではありますが、「記入する書式」のことを “form” と呼ぶことが分かります。
さらに複雑な使い分けが必要な単語だって簡単に理解できます。
例えば「旅、旅行」にあたる英語には “trip” “travel” “journey” “tour” “voyage” など複数の言葉が挙がります。それぞれを前述の辞書で調べると次のようになります。
それぞれ使い方が異なることは分かりますが、自信を持って判別できるほどニュアンスの違いは明らかですか?不安があるならまたグーグル画像検索してみましょう。
“trip” は「仲間と行く楽しい旅」というイメージの写真が並んでいます。私たちがリフレッシュするために休日に計画するような旅はこんな感じではないでしょうか。
△ "trip" の検索結果
これが “travel” になると、飛行機で海を越えて行く外国旅行のイメージに取って代わります。「夏休みの海外旅行」などには “travel” が適切だということが分かります。
△ "travel" の検索結果
次は “tour” です。旅行先で観光地を巡るような旅のイメージが広がっています。
△ "tour" の検索結果
ところが “journey” の画像になると雰囲気は一変します。
果てしなく続く道路。その行き先はどんな場所なのかは分かりません。孤独に向き合うような旅、「自分探しの旅」といった言葉が浮かんできそうです。
△ "journey" の検索結果
そして “voyage” と検索すると船旅のイメージが目立ちます。
△ "voyage" の検索結果
画像のおかげで、これら5つの英単語はニュアンスまで明確になったのではないでしょうか。これからは使い分けで悩むことはなさそうです。
“cupboard(カップボード)” という単語があったら、私たちはきっと「食器棚」を想像することでしょう。
次の写真は英語で “cupboard” と画像検索したものです。
△ "cupboard" の検索結果
「キャビネット」や「クローゼット」と呼んだ方がしっくりきそうな家具が並んでいますね。画像の共通点から察すると、英語では「扉と棚がある家具」を “cupboard” と呼ぶのだなと分かります。
ちなみにカタカナで「カップボード」と検索した画像が次の写真です。日本語と英語のギャップが一目瞭然ですよね。
△ "カップボード" の検索結果
このように、英語と日本語で意味に差があるケースを知るのも、英語を使っていく上で大事なことです。
もう一つ例を見てみましょう。私たちの多くは「プリン」の英訳は “pudding” だと考えますが、これもグーグル画像が明らかにしてくれます。
△ "pudding" の検索結果
△ "プリン" の検索結果
最後にもう一つ例を挙げてみましょう。
一般的に「日本らしい飲み物」というと「緑茶/green tea」を挙げる人が多いのではないでしょうか。実際、「緑茶」と検索すると和風スタイルで淹れたお茶の画像が並びます。
△ "緑茶" の検索結果
けれど “green tea” で検索すると「ハーブティーの一種」といったイメージの方が強く、英語では必ずしも「green tea=和風」ではないことが推察されます。
△ "green tea" の検索結果
実際、筆者が住む東アフリカのタンザニアでも緑茶が作られていますが、和風イメージは一切なく、普通のハーブティーと同じ感覚で売られています。
このようにグーグル画像検索は違いが分かりにくい単語のニュアンスをつかむのに使えるだけでなく、身近な物事を検索してみることで異文化理解の意外なヒントを得られたりもするのです。
グーグル画像検索を利用した英語学習や異文化理解のアイディアはいかがでしたか?
「百聞は一見に如かず」ということわざもあるように、画像イメージを利用することで英語学習がより簡単・正確に進む場合があります。
無限の情報を提供してくれるグーグルを活かし、自分でもいろいろ試して英語と日本語の違いを探してみてくださいね!