Mizuho
(更新)
みなさん、ラジオは好きですか?
昔は携帯ラジオやCDコンポなどが必要でしたが、この記事を書いている2022年現在、スマートフォンアプリが台頭したことよって、誰でも手軽に聞くことができるようになりました。
ラジオで英語といえば、NHKの「ラジオ英会話」を思い浮かべる人も多いでしょう。タイトルこそ長い年月の間に変わっているものの、1925年のラジオ放送開始当時から英語学習者に寄り添ってきた長寿番組です。
この長い歴史からもわかるように、実はラジオって英語学習者にとても便利なツールなんです! 特に、忙しい毎日を過ごす人にオススメしたいツールの1つ。
そこで今回は、ラジオを活用した英語の学習法と、おすすめの放送局や番組をレベル別にご紹介します!
ラジオを聞く際には、基本的には「聞き流し」という形になります。ただ、最近ではあとから録音を聴き直せるサービスもあるので、聞き流すだけでなく「聞き留める」ことも可能です。
では、ラジオは英語学習にどんなメリットがあるのでしょうか。
特に英語学習者向けに放送されていない一般的な海外の番組の場合、新しいニュースが入ってくれば、すぐにその情報が伝えられます。
また、リスナーが電話で番組に参加することもあるので、日常会話で登場する英語の言い回しやアクセントに触れることも可能です。
ある意味、現地生活にほど近い英語環境に身をおくことができます。
初心者の場合は、聞き流しだけでは意味を捉えることも、単語を聞き分けることも難しいでしょう。それでも、英語ならではのイントネーションやリズムを体感的に捉える練習になります。
後ほどご紹介する初心者向けのラジオ番組なら、文字で内容を確認したり、繰り返し聞くことができるので、活用すれば少しずつ単語が聞き分けられたり、フレーズごとに理解ができるようになってきますよ。
多くの場合、ラジオ放送は無料で視聴することが可能です。スマートフォンやタブレット、パソコンなど、アクセスできる環境があれば、誰でも使えるツールなので、幅広い層の人にオススメです。
最近はPodcastも移動しながら聞けるので人気ですが、それはラジオでも同じことがいえます。
移動中であったり、なにかをしながら視聴することができます。スキマ時間の有効活用にもなるので、忙しい人にとって、特に嬉しい特徴ですね!
ラジオには実に多くのジャンルの番組があります。例えば経済に興味がない人が経済ニュースを聞こうと思っても、なかなか内容は頭に入ってこないでしょう。
でも代わりに音楽に興味があるなら、音楽番組を聞いたりすると内容が理解しやすいはずです。
ラジオは、複数の放送局や番組がまとまったものや、それぞれの放送局が独自で運営しているアプリやWebサイトから視聴可能です。
ここでは、さまざまなラジオ局にアクセスできるツールをご紹介します。
TuneIn Radioはスマホのアプリ(iOS / Android)と、Webサイトから視聴ができます。驚くことに、聞くことのできる放送局は世界10万を超えるそう!
「By language」を選ぶと言語ごとに、「by location」では国や地域ごとにラジオ局を選ぶことができるので、気になるものを選んで聞いてみましょう。
こちらも、スマホのアプリ(iOS / Android)とWebサイトがあり、世界の5万ものラジオを視聴可能です。
「ラジオ局」というメニューを選択すると、ジャンルや都市別に放送局を選ぶことができますよ。
スマホ・タブレットのアプリ(iOS / Android)。英語圏の放送局が厳選して入っているので、英語学習者にピッタリです!
冒頭でご紹介した通り、ラジオで英語といえばNHKを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。NHKでは、「ラジオ英会話」や「中学生の基礎英語」、「ラジオビジネス英語」など、幅広い層に向けて英語学習者向けの番組を放送しています。
日本語を交えて番組が進むので、特に初心者にオススメ!
「NHKゴガク」というアプリ(iOS / Android)とWebサイトがあり、番組が放送されてから1週間程度は繰り返し聞くことが可能です。テキストも販売されているので、単に「聞き流す」だけでなく、読みながら反復学習に役立てることができます。
さらにそれに加えて、アプリなら聞いた放送回の理解が深められるクイズも出題されるので、活用しない手はありませんね!
【オススメポイント】
VOAはアメリカの政府による国営放送です。
NHKのように言語学習者向けのコンテンツが充実しており、VOAのWebサイトでは、英語学習者向けのラジオ番組もあります。
毎日最新の世界情勢や気になる情報をとりあげ、少しゆっくり目のスピードで音源が収録されています。書き起こしや重要単語も記事ページに掲載されているので、「耳で聞くだけでは不安」という人にオススメです。
「Read, Listen & Learn」というカテゴリーから新着の音源を確認できます。
VOAにはアプリ(iOS / Android)もあり、こちらでは再生スピードを変更することが可能です。
【オススメポイント】
NHK World Radio Japanは、NHKによって全世界に向けて放送している国営ラジオ局です。
1日の間に18言語を使って生放送しているので、それぞれ特定の言語で視聴できる時間は限られていますが、オンデマンドで言語を選んで聞くことができます。
また、過去のニュースについてはEnglish News - NHK World Radio JapanでPodcastとして視聴可能です。
日本で起きたことや、日本人なら知っておきたいニュースが取り上げられているので、知らない単語や表現があっても内容を推測しやすいのがポイント。
「いきなり海外のラジオを聞くのは勇気がいる」という方にピッタリのラジオです。
【オススメポイント】
BBCはイギリスの国営放送です。そのため、聞こえてくるのはイギリス英語ですが、アメリカ英語に比べるとはっきり発音するので、少し聞き取りやすいかもしれません。
BBCラジオではおよそ10個のチャンネルがあり、Radio 2はそのなかで視聴者数が1300万人もいるそう。
どの年代の人でも楽しめる音楽、トークショーやコメディなど満載のチャンネルです。1日中、思わず聞き入ってしまう番組が放送されていますよ。
【オススメポイント】
Radio 2と同じく、イギリス国営放送BBCのラジオチャンネルの1つ。
特に15〜29歳の視聴者向けに放送されており、ポップやヒップホップなど最新の音楽はもちろん、若者だからこそ気になるニュースや情報などを扱っています。
筆者の所感としては、少し話すスピードが早めですが、現地の若者たちが使っている英語に触れるにはピッタリのチャンネルですよ!
【オススメポイント】
ABC Radio Australiaは、その名の通りオーストラリア放送協会が運営している放送局です。
太平洋地域をターゲットに放送しているため、世界のニュースはもちろん、地域に特化したものも取り上げられます。幅広いジャンルを扱っており、太平洋地域ならではの南国風音楽をフィーチャーした番組も! 聞いてみると、途端に南国へトリップした気分になること間違いなしです。
また、ABC Radio Australiaの番組は、Webサイト上でダウンロードすることができます。短いものから長いものまでさまざまですが、聞き流すだけでなく何回も聞いて反復することが可能です。この点からも、英語学習者が使わない手はない放送局かと思います。
【オススメポイント】
BBC Radio 4は、特に時事ネタやインタビューなどを扱うトーク専門チャンネルです。
そのなかでも「Today」は、1957年から続く老舗番組で、世界の最新ニュースを掘り下げます。日本のニュースで耳にする識者たちの考えだけでなく、世界規模でさまざまな見方を知ることができる番組です。
また、「In Our Time」という番組では、歴史や科学など、その分野の専門家をゲストに、1つのトピックについて深掘りして話します。テーマとなるトピックについて知識がなくても、この番組を聞けばその概要や、トリビアを知ることができるのです。
このようにBBC Radio 4の番組は、さまざまな視点から新しいことを学ぶのに最適です。なかなか日々の生活では触れられない情報がつまっていますよ!
【オススメポイント】
NPRはNational Public Radioの略で、アメリカの公営ラジオです。Webサイトとアプリ(iOS / Android)から番組を視聴することができます。
1971年から放送を開始し、本部はワシントンDC。世界各国に放送支局を置き、それぞれから集まった政治や時事問題などのニュースをメインに放送しています。
ただ、もちろん音楽や健康に関してなど、さまざまなトピックをとりあげているので、誰でも興味を持ちやすい番組が豊富です。音源があるものはダウンロードすることができるので、繰り返し聞けることがポイント。
また、NPRの番組は少し高度な内容ですが、番組によっては「書き起こし(transcript)」が用意されているので、英語学習にも活用できます。
多くの番組のなかでも、「Morning Edition」の音源は、ほぼすべてに書き起こしがついているので、まずはこちらの番組からチェックしてみるといいでしょう。書き起こしを利用したいときは、アプリだと表示されないので、Webサイトからアクセスすることをオススメします。
音源自体は「再生ボタン」から、書き起こしは「罫線」がデザインされているボタンから確認できますよ。
【オススメポイント】
Bloomberg Radioは、経済や金融に関する情報を配信しているBloombergのラジオチャンネルです。そのため、扱う内容は経済・金融などビジネスに関するものが中心。
ビジネスマンなら知っておきたい情報が満載です。24時間放送しているので、最新のビジネスニュースを知ることができます。Webサイトとアプリ(iOS / Android)の「Audio」メニューで生放送を聞いたり、過去の音源も聞くことが可能です。
【オススメポイント】
ESPNはアメリカのスポーツ専門チャンネルで、テレビのほか1992年からラジオも放送しています。「スポーツが好き!」という人なら、ぜひ聞いてみたいラジオ放送局です。
ライブでスポーツ実況が放送されていたり、最新のスポーツハイライトを知ることができます。
ただ、実況ともなると話すスピードが早いことが多いので、注意が必要です。一度気になる試合を動画で見るなどしてから聞いてみると、一度試合の流れが頭に入るので聞きやすいでしょう。
【オススメポイント】
いかがでしたか? ラジオは聞き流しが主でしたが、過去の放送を聞き直すことができるようになったことで、より英語学習者にとって使いやすいツールの1つとなりました。
1つ最後にポイントとしてお伝えしたいことは、「すべてを理解しようとしない」ことです。
筆者は10年近くイギリスで生活し、ラジオもよく聞いていましたが、それでもすべてを聞き取ってきたわけではありません。一語一句聞き取ろうとすると、相当な集中力を要しますし、だんだん内容自体を楽しむことができなくなってしまいます。
もちろん、聞き直しができたり書き起こしが用意されているものなら、注意して聞く練習に使ってもよいでしょう。でもそうでない場合は、話されている大枠の概要を理解できるようにするといいですよ。こうすることで、英会話のときに相手が言っていることの意味を捉える練習になります。
「今」というライブ感があるラジオを、ぜひ英語学習に活かしてみてくださいね!