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豆をこぼすってどういう意味?野菜にまつわるイディオム12選

豆をこぼすってどういう意味?野菜にまつわるイディオム12選

日本語には、演技が下手だという意味の「大根役者」のような慣用句や、「瓜の蔓に茄子はならぬ」のようなことわざがあります。

どちらも、「野菜」を用いていますよね。

野菜は世界各国で育てられ、多くの人の食事の基礎材料です。そして、慣用句やことわざのもととなっていることも多々あるのです。

今回は、野菜を用いた英語のイディオムを12個ご紹介します。ぜひ覚えていってくださいね!

野菜にまつわるイディオム

野菜

本題に入る前に、少しだけ野菜にまつわる英語表現を見てみましょう。

  • vegetable(s)|野菜
  • leafy vegetable(s)|葉物野菜
  • root vegetable(s)|根菜
  • stem vegetable(s)|茎野菜
  • greens|青物野菜
  • legume(s)|マメ科植物
  • bulb(s)|球根

どれもよく使う表現ですね。では、基礎表現がわかったところで、野菜にまつわるイディオムを見ていきたいと思います!

to be as cool as a cucumber

「きゅうりのようにクール(涼しげ)」というのは、「冷静な人」を指すイディオムです!

1732年に、イギリスの作家・詩人のジョン・ゲイが、「Poems, New Song on New Similes」という詩で初めて使ったとされています。

I was panicking but she was as cool as a cucumber.
「私はパニックになっていたが、彼女は冷静だった」

to be in a pickle

みなさんはピクルスが好きですか? 日本では、瓶に入れて保存する手作りピクルスが人気ですよね。

このイディオムは、「困る」「困惑する」「難しい立場にある」という意味を持ちます。

そもそも pickle という単語は、「辛みのあるもの」を意味するオランダ語の pekel という言葉に由来しているそうです。

そして、そんなピクルスが瓶の中でごちゃ混ぜになっているような状態に入ることで、in a pickle という表現が作られたそうですよ!

Well, that puts me in quite a pickle. I don’t know what I should do now.
「さて、これでかなり困りました。これからどうしたらいいんだろう」

to dangle a carrot

馬がにんじんに誘導されるのと一緒で、これは誰かを誘惑するときに使うイディオムです。

馬の鼻先ににんじんをぶら下げることで、馬は前に進みますよね。To dangle は「ぶら下げる」という意味なので、直訳すると「にんじんをぶら下げる」という意味になります。

You’re going to have to dangle a carrot in front of them if you want to get them to babysit for you.
「子守をさせたいなら、なにかで誘惑をするしかないね」

a can of corn

とうもろこしの缶詰。全く意味が想像できませんね。

このイディオムは、日常会話で使うことは少ないかもしれないです。なぜなら、「非常に捕りやすい球」という意味の野球表現だからです!

A can of corn は、外野手への飛球(フライ)のことを指します。

由来もおもしろく、19世紀に食料品店や雑貨店の店員が、高い棚にある缶詰を簡単に取る方法を探していたときに、長いフックのついた棒を使って缶詰を下に引っ張り始めたのです。そして、その缶詰をエプロンでキャッチしていたそう。

意味と由来を知ると納得できるようなイディオムですね!

How could he miss that catch? It was a can of corn!
「えー今のを外すなんて!めっちゃ捕りやすい球だったのに!」

salad days

サラダ

サラダデイズとは、日本語でいう「青春時代」です。「まだ青くて未熟な」というニュアンスで考えるとわかりやすいですね。

この言葉は、シェイクスピアの戯曲「Antony and Cleopatra(アントニーとクレオパトラ)」にある「They were my salad days, when I was green in judgement」という一節が由来となっています。

文学的な表現として使われることが多く、英語圏のなかでも一般的に知られていない可能性もあります。

Ah, my salad days. How I miss them.
「ああ、古き良き青春時代。あの頃が懐かしい」

hot potato

アツアツのジャガイモ。これは、「議論になるような問題や状況、対処が厄介なもの」を指す表現で、政治的な問題に対して使われることが多いです。

また、多くの人が話したくないデリケートな問題や争点や、物議を醸すような状況に対して用いることもあります。

1800年代半ばに生まれたこの言葉は、「何かや誰かをすぐに見捨ててしまう」という意味の少し古い言葉「to drop like a hot potato」に由来しています。調理したジャガイモは水分を多く含むため、かなりの熱を保つということを暗示しているのです。

People don’t speak as openly about politics here in Japan compared to other countries. The topic can be a real hot potato.
「日本では、他の国々と比べて、政治についてあまりオープンに語られることはありません。まだまだデリケートに扱われる話題だ」

small potatoes

「小さなジャガイモ」とは、取るに足らない、または印象的でない人物や出来事、ものなどを意味するイディオムです。他の何かと比較して重要でないことを指します。

ジャガイモは、大きいものが育ったほうが嬉しいですよね。特に昔の人は、小さなジャガイモが採れたら「価値がない」や「残念」と思う人がいたかもしれませんね。

My problems are small potatoes compared to hers.
「私の問題は、彼女の問題に比べれば小さなものです」

to be a couch potato

「カウチ・ポテト」は、常にソファでゴロゴロしているような人を意味します。主に、ずっとテレビを見ていたり、ゲームをしていたりする人のことを指すことが多いです。

また、運動不足で、ジャンクフードばかり食べている人のイメージもあります。要するに「怠け者」ですね。

You’re such a couch potato. You should go for a walk or something.
「本当に怠け者だね。散歩でもしてきたら?」

to spill the beans

いろいろな種類の豆

「豆をこぼす」と訳せるこのイディオムは、「秘密を漏らす・暴露する」という意味。

由来はいくつかあって明確ではありませんが、一つ有力な説は古代ギリシャにさかのぼります。古代ギリシャでは、匿名で投票をするために豆を使っていたという説があり、賛成票には白い豆、反対票には黒豆などの色の濃い豆が使われていたそう。

そのため、誰かが意図的に、あるいは偶然に瓶の中の豆をひっくり返してしまうと、「豆がこぼれて」しまい、投票結果が早くわかってしまうのです。おもしろい説ですね!

実は、beans の他にも「spill the soup(スープをこぼす)」、「spill your guts(内臓をこぼす)」、あるいは単に「spill(こぼす)」と、いくつかのバリエーションがあるんですよ! すべて同じ意味です。

Sam just spilled the beans about Carla’s birthday party.
「サムがカルラの誕生日パーティーのことをバラしちゃった」

ちなみに、最近スラングでよく見聞きする spill the tea という表現は、「ゴシップ(噂話)をする」という意味なのでニュアンスは少し異なります。

to be full of beans

このイディオムには2つの意味があります。

1つ目は、エネルギーと生命に満ち溢れていること。「若々しい」と訳すことができます。

このイディオムは、1800年代半ばに一般的に使われるようになったようで、馬に豆を飼料として与える習慣があったことに起因しています。豆を食べさせられた馬は、より元気で生き生きしていたとのことです。

I used to be so full of beans. Now look at me.
「昔は元気いっぱいだったのに、今の私を見てよ」

そして2つ目は、主にアメリカで使われ、ナンセンスや真実ではないことを言うという意味です。しかし、1つ目の意味合いで使われることの方が一般的には多いかと思います!

Don’t listen to himーhe’s full of beans.
「彼の言うことは聞かないで。ナンセンスだから」

to be pea-brained

グリーンピース脳。これは、わかりやすいのではないでしょうか?

これは「知性に欠ける人」を指す表現です。グリーンピースの小ささを連想させるフレーズですね。

Don’t let that pea-brained jerk get to you.
「あんな豆粒のようなアホに負けないで」

to be like two peas in a pod

最後にご紹介するイディオムは、一度は聞いたことがあるかもしれませんね。

直訳すると「さやの中の2つの豆のように」なので、「2人の人間やものがとても似ていること」または「大の仲良し」を意味する表現です。

We’re like two peas in a pod! We have the same interests and hobbies and do everything together.
「私たちは、大の仲良し! 同じ趣味を持っていて、何でも一緒にやるの」

野菜イディオムを会話で使ってみよう!

いかがでしたか?

聞いたことのあるイディオムもあったかもしれませんね。

英語には野菜だけでなく、フルーツにまつわるイディオムもたくさんあるので、ぜひ併せてご一読ください!