西東 たまき
(更新)
日本では「食欲の秋」「実りの秋」などと言われ、秋の味覚を楽しんだり、ハイキング・紅葉(もみじ)狩りといったアクティビティを楽しむ習慣がありますね。
海外では、どのように秋を過ごすのでしょうか。
今回は、海外の秋の様子をお伝えします!
まずは秋にまつわる基礎表現を見てみましょう。
では、早速ですが、世界の秋の過ごし方について見ていきましょう。
世界には、いわゆる「四季」に分かれていない地域もたくさんあります。「秋」といっても、日本の秋のような風景がどこでも見られるわけではありません。
とはいえ、北半球の多くの国々で「秋」といえば、紅葉した景色や季節の収穫物を味わったり、下がりつつある気温に合わせて衣服を替えたり、冬を迎える準備をするなど、日本の「秋」と同じような感覚で迎える時期に当たります。
そんな秋のイベントで有名なのは、10月31日の Halloween(ハロウィン)と、同時期に行われる Thanksgiving(サンクスギビング)ではないでしょうか。ハロウィンは、近年は日本でも秋の風物詩となった感じがしますよね。
実はハロウィンは、古代イギリスやアイルランドで行われていた、11月1日に夏の終わりと新年を迎えるケルト族の祭り「Samhain(サムハイン)」が元になっているのですよ。
そして Thanksgiving は、収穫を感謝するアメリカ・カナダの祝日です。アメリカでは11月の第4木曜日、カナダでは10月の第2月曜日に行われます。
Thanksgiving の伝統的メニューは、七面鳥の丸焼き(roast turkey)に、ペースト状にしてスパイスを効かせたカボチャのパイ(pumpkin pie)です。実のところ、Thanksgiving のメニューはクリスマスとほとんど同じなのです。
どんなお祝いごとでも、アクティビティの基本は「集まって」「食べて」「飲む」は世界共通です。
また、秋になると pumpkin carving(パンプキン・カーヴィング)や apple picking(アップル・ピッキング)といったアクティビティも人気になります。
To carve は「彫る」「彫り刻む」という意味。つまり、カボチャを「彫る」ということです! ハロウィンの季節になると、カボチャに目や口を彫ったものが家のまえに飾られているのをよく見かけますよ。
そして夏の暑さが落ち着き快適な気温になってくる秋は、アウトドアで過ごす人が増えます。
アウトドアのアクティビティで人気なのが apple picking(りんご狩り)です。基本的には、9月から10月にかけて行われ、家族や友人と参加する人が多く、ファームを訪れるとだいたい cider donuts(サイダー・ドーナツ)や apple cider(アップル・サイダー)と呼ばれるドーナツとサイダー(シードル)が売られています。
ヨーロッパの国々では、りんごではなく「キノコ狩り」が秋の定番アクティビティになっていますよ。
「南半球は季節が反対」と知っている人は多いと思いますが、実際に経験してみないと、今一つピンとこないかもしれませんね。
北半球の秋が9月~11月頃だとしたら、南半球では正に逆の3月~5月といったところです。日本が暑さに向かう頃、南半球ではだんだん気温が下がっていきます。
南半球でも、北半球と同じように紅葉の風景を半年違いで楽しむことができます。
北半球とは季節が逆ということは、一般的に3月〜5月に行われる祝日やイベントはオーストラリアやニュージーランドなどの国では「秋の祭典」になるということです。オーストラリアのシドニーで行われるSydney Royal Easter Show(シドニー・ロイヤル・イースター・ショー)がそのイベントの一つ。
オーストラリアで開催されるチケット制のイベントとしては最大規模であり、世界でも有数の規模を誇るそう。イースター前後の12日間、薪割り大会から豚や牧羊犬のコンテストまで、さまざまなイベントが開催されます。
ロイヤル・イースター・ショーは、農村と農業に関するあらゆるものの巨大なカーニバルで、毎年8万5千人の来場者を集めているとのこと。
オーストラリアとニュージーランドでも、やはり秋になるとアウトドアで過ごすことが増えるようです。紅葉を見に行ったり、フェスに足を運んで美味しいワインや食事を楽しんだりと、秋の過ごし方はどの国も似ている模様ですね!
英語圏以外でも秋の時期ならではのイベントがあります。いくつかご紹介しましょう。旅行を計画するときは、こういった時期に合わせるのも良さそうですね!
10月から11月の5日間にかけて行われるヒンドゥー教のお祭りが Diwali(ディワリ)。「光の祭典(Festival of Lights)」とも呼ばれ、キャンドルやオイルランプがシンボルです。
人々は着飾って集まり、あちこちでパーティーが行われます。インドからの移民が世界各地にコミュニティーを作っていますが、インド本国に限らず、そういったコミュニティーで体験することもできます。
みなさんは、ディズニー映画「リメンバー・ミー」を見たことはありますか? この映画はまさに Día de Muertos のお話なのです!
日本では「死者が帰ってくる」とされる「お盆」がありますが、メキシコでも同じような発想による「死者の日」があります。スペイン語で Día de Muertos、すなわち英語で Day of the Dead です。
11月1日と2日に行われるこのイベントでは、色とりどりの花とドクロ(calavera)がシンボル。2022年冬に行われた冬季オリンピックの開会式で、メキシコチームが花とドクロのユニフォームで登場したのには気付きましたか?
世界でもっともビールが消費される世界一の「ビール祭り」が、ドイツ・ミュンヘン発祥の Oktoberfest(オクトーバーフェスト)です。
9月から10月の2週間以上にも渡って行われる民族祭で、近年は日本でも都心を中心に各地で「オクトーバーフェスト」が行われるようになってきていますね。ビールを飲みながら、ドイツの食を楽しめます。
日本にいながら海外の秋の過ごし方を知りたいと思うなら、外国雑誌の秋号を見れば、その世界観を肌感覚で感じることができます!
季節のレシピもたくさん見つかるので、試してみるのも楽しいですよ。
行きたい国や街の観光ウェブサイトをチェックしても、秋のムードを疑似体験できるでしょう。
日本ではまだあまり知られていない秋の過ごし方や季節のアイテムを先取りしてみるのも良いかもしれませんね!