DMM英会話「なんてuKnow?」アンカー、デイビッド・セインさんにインタビュー!

DMM英会話の新サービス、「なんてuKnow?」では、「これって英語でなんて言うの?」という質問に対して、すぐに使える英語の言い回しを回答してくれます。回答者(アンカー)は、専門家やネイティブスピーカーなど、様々なバックグラウンドをもつ英語のプロフェッショナルたち。ここでは、その英語のプロたちにスポットを当て、インタビュー形式でご紹介いたします。

DMM英会話なんてuKnow?

デイビッド・セインさんインタビュー

ー 今日はどうも、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

デイビッド・セインさんインタビュー

ー まず先ほどから少しお話しをしていて驚いたのですが、とても流暢な日本語を話されるのですね。
セインさん自身は日本語をどのように身につけられたのでしょうか?

ひとつ大きいのは今もそうですが私は日本にいて、日本で勉強できているのでそれは大きいかもしれません。ずっと日本に興味があったんです。やっぱり興味があって、いろんな人と話したいという気持ちがどのくらいあるか、は大事ですよね。

ー セインさんがもともと日本に興味を持ったのはなにがきっかけだったのでしょうか?

私は日本オタク、ではないんですよ。日本にハマる外国人もいますよね、お茶とか空手をしたりとか。日本人より凝ってる人、みたいな。凝ってるといえば、まあ食べ物かな(笑)食べるのは好きです。

中学生の時だったんですが、日本人の従兄弟がいたんです。その友達が家に遊びに来たりして、日本語で数え方を教えてくれたんです。いち、に、さん、し、ごっていう風に。それはわたしの得意技になったんです(笑)

デイビッド・セインさんインタビュー

今わたしは日本に27,8年いますが、初めてきたのは30年ちょっと前です。わたしが日本に来たとき、日本には英語が話せない外国人が多くいました。みんなどこか諦めているような雰囲気がありましたが、僕には「10まで数える特技がある」、だからできるだろうと(笑)と思って。

ー 10まで行けたんだから、日本語くらい余裕でしょと(笑)

ええ、変な自信が(笑)

ー でも、まあそうは言っても1から10までだけでは日本語はどうにもならないわけで。
セインさんはその後からどういう成長の仕方を選んだんでしょうか?

少し日本にいた後、すぐにアメリカに戻るんです。戻ったらすぐに日本語から離れてしまうんですよね。話す人が誰もいなくて、ああこのまま忘れてしまうんだなあって思って。その時ロスに日本語の新聞で羅府新報というのがあって、日系の2世とかの人のためのルビが付いている新聞でそれを取っていつも読むようにしていました。
http://www.rafu.com/category/japanese/
(調べてみると今もあるんですね)

それまで普通の新聞を読もうとしていたんですが、ひとつの漢字を調べるのに10分以上かかるんですよね…その時はコンピューターもないですからね。その時はあまり日本語はしゃべれなかったですけど、読めた、というのはあります。

ー その時のモチベーションは日本のことが知れる、ということだったんでしょうか?
それとも読むことそのものに喜びを感じていた?

読んでも実はそこまで意味はわかってなかったんですよ、実を言うと。意味を把握して、記事の面白さを理解するっていうところまではいってなかったように思います。そこでいろんな日本のことを知った、というよりは勉強のために読んでいた、というのが大きいかもしれません。

でもしばらくするうちに徐々にわかっていって、ああこれおもしろいなあと感じることもでてきました。そういう瞬間はわたしをやる気にさせてくれましたね。

デイビッド・セインさんインタビュー

ー で、そこからまた日本に戻ってくる、と。

はい、日本語を使う仕事がしたくてアメリカである企業の日英通訳をしていたんです。でそこから紹介してもらって日本に戻ってくるんです。その後は翻訳をしたりしながら今の仕事まできた、という感じです。

ー セインさんは今の日本で英語を教えたり本を書いたりするお仕事は楽しいですか?

楽しいですよ。よく外国人が日本にきて英語を教えたりすると、すぐに好きじゃなくなってしまうんです。その気持ちはすごくよくわかりますよ。

ー その一番の原因はなんだと考えますか?

一番はやっぱり生徒が伸びないことかなあと思っていて。わたしも同じ気持ちで一度いやになってしまったことは正直あります。教えるのが嫌い、というわけではないんです。どれだけ頑張っても伸びない、生徒自身にやる気があっても伸びない、ということがあって。それは気持ちとしてすごく辛いんですよね。講師として失格だなあと思ってしまったりして、嫌になってしまったんですね。

デイビッド・セインさんインタビュー

でもやり方でグンと伸びていくことにも気づいたりして。まず言えるのは日本語と英語の違いを比較することが大事
ということですね。どうしてみんなこんなに同じ間違いをするんだろうか、と思うんですが、それは別にできるできない、ではなくて日本語で考えているからこういう風になるのか、っていう発見が面白かったんです。

ー なるほど、日本語では「どう思う?」というのでHow do you think? という不自然な英語で聞いてしまうのと同じですね。

ええ、そこは What do you think? ですよね。英語ではこういう、というのを覚えないと自然な英語にはならないですよね。逆に自分が日本語を話す時にも共通の他の外国人と同じような逆バージョンのミスをするんです。シャワーを取る、とか言っちゃうんです(笑)口が勝手に言いたくなっちゃうんですよね。靴をつけるとか(笑)

デイビッド・セインさんインタビュー

ー 逆にいうと、そういう経験を通してたくさんの失敗をしてきたセインさん自身が日本語学習者であり、苦労をしてきた、だからこその間違いの気持ちがわかる、っていうことですよね。

同じ苦労をしてきたんですよね…

ー ですよね、だからこそわかる、というところですよね。
セインさんの本に関して言うと、ネイティブはそんな変な英語使わない、と怖がらせるようなタイトルの本が多い、と色々言われたりしませんか?

デイビッド・セインさんインタビュー

ー 何を隠そう僕もそう思っていました。英語のネイティブが自分の得意な英語を使って他の国の人間の英語をバカにするなんて何事だ、と。一時期けっこう真剣にそう思ってた時すらあったんです。でも今日お話しを聞いてみて驚いたのはセインさん自身の日本語の立派さです。苦労して、そして努力して外国語を身につけた一人の学習者というバックグラウンドを持った人なんだ、というのは僕も今日まで知りませんでした。

そうなんです。本当は出版社に提案していてどこも受け付けてくれないんですが、セインの変な日本語、っていう本を出しませんか?っていうアイデアがあって(笑)

ー ああ、それ出しましょうよ(笑)出したほうがいいです。

何が面白いか、ってその変な日本語をきっかけに英語ネイティブがどう考えているか、がわかるからなんですよ。

ー 僕も外国人のみんなと話していていつもそういう逆パターンのミスを通していつも勉強になるなあ、と思っていて。彼女を持ってますか?なんて表現を通してネイティブのhaveの感覚がなんとなくわかったりするんですよね。「発想」の根幹の部分がわかるんですよね。

日本語と英語の違いを知ることが大事ですよね。

ー 英語と日本語の違いを知る、ということでいうとDMM英会話の新サービス、 DMM英会話なんてuKnow? がついに始まりました。今話していた、日英の差で生まれる、この日本語って英語でなんて言うの?という質問にフォーカスした新サービスで、アンカーと呼ばれる方々が英語の質問に答えてくれる、というものです。
セインさんもアンカーとして参加されていますが、やってみてどうですか?

デイビッド・セインさんインタビュー

そうですね、英語のことになると誰かに正しいことを聞かずに自分でこう思う、というのをずっとやっていてもあまり効果はないように思います。でも自分で悩むのも大事なんですよね。どのくらい悩むか、もすごく大事。ちょっと悩んで誰かがパッと答える、これに慣れすぎると考えなくなってしまう。そうするとどうなるか、というと本人が覚えてないんですよね。考えずに答えを教えてもらってしまっているから。ちょっと悩んで、しばらく悩んで、その後に答えがくると「ああそうか!」という感じで身につくんです。感動が大きいんですよね。

ー 英語でいう epiphany みたいな感じですよね。

そうそう!まさに、そうなんですね。そのほうが絶対に頭の中に残っていくんです。だから「なんてuKnow?」っていうサービスもそういう感じで捉えて利用してくれたら嬉しいですよね。

ー 今までセインさんが答えてくれた中でなにか印象的なものってありましたか?

デイビッド・セインさんインタビュー

お世話になりました、とか面白いですよね。

お世話になりましたって英語でなんて言うの? - DMM英会話なんてuKnow?

Thank you for everything. / Thanks again for everything.
Thanks for all that you've done (for me).
You've been so kind. / You've been so helpful.

と答えたんですが、日本語そのまま考えると英語がなかなかでてこない表現の一つですよね。

ー そう思います。この辺りセインさんの感覚としては質問している人の言葉の思い、というか核になる意図の部分を理解してそこを英語にしている、という感じですよね?

お世話、をそのまま英語にするのなんてなかなかできないことですよね。お世話になりました、というのはつまり感謝を述べているわけですよね。つまりその部分を英語にすればいいわけなんです。その感覚をつかむと意外と簡単なんです。


裏の意味を取る、という感覚は僕たち日本人が英語を話す時にとても大事な感覚かなあと思います。1 to 1の直訳で考えてしまうと必ず不可能な表現に出会ってしまい、なにも英語がでなくなる、ということが会話なんかで起こったりしてしまいます。そこを回避するのが、裏の意味を取る、という感覚ですよね。

はい、まさにそうなんです。日本語と英語の難しさの一つはその直訳できないものがたくさんある、ということなんです。でも逆にいうと直訳できるものもたくさんある、ということを覚えておいて欲しいです。そうはいっても昔からある日本語の言い回しをなかなか英語に直訳はできないものです。通じなくなってしまうことが多いんです。そういう時は言葉の裏のシンプルな意味に目を向けて見るんです。外国人も日本人も同じ人間なので、基本的な行動の意味とか意図がまったく伝わらない、ということはめったに起こりません。

ー そうですよね。お世話になりました、のニュアンスがありがとう、という感謝ならシンプルに Thank you. でいいわけで。Thank you. が意味として伝わらない、ということなんか起こらないと。

デイビッド・セインさんインタビュー

はい。最近気づいたのは、遠慮なくどうぞ、という日本語なんかはGo ahead. でとても近いニュアンスが出るんですよね。

ー なんてuKnow?にも同じ質問あるかも。あ、ありますね。他のアンカーの方が答えてくれてますね。

お先にどうぞって英語でなんて言うの? - DMM英会話なんてuKnow?

英語で言う Go ahead. は遠慮しなくていいよ、っていう考えがすごく含まれてるんですよね。遠慮っていうとreservations (懸念、や心の中の心配などを表す意味がある)なんか思い浮かぶかもしれないけど、英語で遠慮せずどうぞ、って言いたい時はまず Go ahead. なんかを思い浮かべられるようにしておくといいかもしれませんね。Go ahead and 〜で言ってあげるといいかもしれません。遠慮せずにおかけください、ならGo ahead and have a seat.みたいな感じで。

ー なるほど、さすがです。遠慮なく感がすごく出てる気がします。

後はやはり言い回しを覚えていく、ことですよね。日本語と英語のセットで覚えてしまうと効率はいいんですよね。
英語とスペイン語だと一個一個直訳すれば形になることが多いんですが、日本語はそうはいかないケースが多いので、その言い回しをひとつひとつ地道に覚えていくしかないんですよね。

デイビッド・セインさんインタビュー

ー ほんとにそれは究極の真理のひとつだと思います。

ではここから英語にしてみましょうか。(ここから英語に切り替える。)先ほど少しお話しした中でセインさんが日本人がブレインストーミングが苦手という話をしていて面白いなあと思いました。確かに実際に多くの日本人が多くのミーティングでクリティカルな意見のぶつけ合いやしっかり結果を想定した生産的な話し合い、のようなものを苦手としていると感じます。

多くの日本人とこれまで話してきて、映画好きですか?と聞くとUmm…yes.で終わったりIt’s cold today, isn’t it?に対しYes.で終わったりして、英語がどうというより会話そのものが進まない、ということが本当に多いんです。“会話”をするのが難しいんですね。それは日本人の会話というものに対してどう考えているか、が大きく影響している気がします。

日本語では「はい、そうですね」「ごもっともです」というように一言で短く答えるのはとても丁寧なことと認識されているように思いますが、少なくとも日本人で英語を話すという人にはまずは少なくとも「2つ」言うようにしてほしいと思っています。

この考えを広めたいと思っているのですが、「5A」という考えです。「5A」とはAnswer、Add、Abbreviate、Assume、Admireです。

Answer

簡単な答えでもいいので、まずはしっかり考えも含めて答えることが大事。

Add

その後はさっきの2つは言うようにしよう、という考えをベースに何かを付け加えてみよう。

Abbreviate

その時言い直したりしても、短くしてもいいわけです。

Assume
相手がスキーが好き、と答えたら、冬が好きなんですか?と考えを少し広げて想像してみる。

Admire

最後は相手を褒める、これがとても大事。

これで面白い会話ができるようになるんです。

ー なるほど、会話での大事な要素が詰まっていますね。この考えはどのように思いついたのでしょうか?

自分が設立した英語学校で教える経験を通して多くの日本人に共通するものを見出すことができたんです。生徒のみんなに話しかけてもみんな一言でしか返してくれないんです。これってすごく話し相手を疲れさせるんですよ。なぜかってこちらが次の質問や相手の好きなことなどを全て推測し会話を引っ張っていかないといけないからです。その経験からこの5Aを思いついたんです。

デイビッド・セインさんインタビュー

ー そこから会話がまるでチェーンが繋がるように広がり長くなっていくんですよね。その考えを具体的にどのように実生活に取り入れることができるでしょうか?

とてもシンプルなんですがI went shopping yesterday.と言ったらそこで終わらずに、次にAnd I bought some shoes.と付け加えてみる、これだけのことなんです。DMM英会話のサービスを使っているみなさんも同様に先生なんかと話しているときにも大きな変化をもたらすと思いますよ。

ユーザーのみなさんはほんとはオシャベリなはずなんです。なのに生き生きとした会話を英語でするのに苦労している。2つのことを言ってみる、すぐにできる一番簡単なことのひとつだと思います。英語だけではなく、日本語を話されているときにも気をつけてみるといいかもしれません。

実は日本人の80歳の女性の友達がいるんですが、とても友達が多くていつも元気で、みんなが話しかけてくるんです。元気ー?ひさしぶりー、という風に。あるとき彼女に聞いてみたんです。どうやったらそんな風になれるのか?どうしたらこんなことが起こるのか?って。そのとき彼女が言ったことが偶然にも同じことだったんです。おはよう、って言われたらおはようの後に質問をするようにしている。とのことだったんです。おはよう、最近元気にしてた?という風に。2つ言う、これだけのことが大きな違いを生むんです。

デイビッド・セインさんインタビュー

ー 具体的にブレインストーミングについてお話しを聞かせていただけますか?本格的なブレインストーミングの場面となると2つ言う、だけでは足りない場面も出てくるかもしれません。

ブレインストーミングというのはアイデア、まつわる話です。行ったり来たりするキャッチボールを繰り返すように、自分はこう考える、というのを相手に提示するのです。


生産性ということを念頭に何かを積み上げ、作り上げていくプロセス、ですよね。

はい、そうです。日本に未だ存在する縦社会(vertical society )の中ではなかなかに難しいことだとは思うのですが、先ほどの5Aを適用させるという基本の考えは同じで、それを念頭に実行していくことが大事だと思います。

ー そう思います、それは僕自身が信じていることの一つでもあって、それを実践することで障壁や障害を壊し乗り越えていくことはできると思います。日本人のこれから、という意味では何か考えていることはありますか?

様々な政治的な動向が世界では起こっていて、世界の中で高い地位を占める日本はやはりその存在を示していかなければなりません。

TPPなどが一つのいい例で個人的には反対しているのですが、様々な予期せぬことも日本に入ってくる状況が予想されます。過去の日本人のように何も言えないで終わり、では済まないときが今来ているのかもしれません。リーマンショックのときなんかアメリカから多くの投資家や銀行家が日本に来てスワップの話を盛んにしていましたが、多くの人が現場単位で理解できていなかったように感じます。他の国にとっての便利な国、担ってしまわないようにしないといけませんからね。

まずは日本人のこれから、に関して言うと英語、そしてマインドセットの部分だと思います。

ー では最後に英語を学ぶ日本人に向けてなにかメッセージをお願いします。

デイビッド・セインさんインタビュー

英語を話すとき、そして英語を勉強しているとき、ダメな英語を学ばないようにしてほしいと思います。ネイティブスピーカーの話す「よい」英語をまずはベースに真似をするようにしてほしいと思います。

ー 今の文脈でいう「よい」英語、というのは具体的にはどういう意味でしょうか?

世界中に様々な英語があることは当然理解していますが、それを母語にしている人の語感からは学ぶことが多いものです。すべての英語は「よい」のです。

ただ未だに本屋さんで売っている英語教材の中には残念ながら首をかしげるような英語が載っている本はたくさんあります。今はそうでもないように感じますが20年前などはよく見かけたものです。正しい英語(correct English)を心に放り込んで溜め込んでいくことが大事です。新聞にもインターネットにも学ぶべき英語はたくさんあります。頭の中にそういった英語を叩き込んでいけば、自然と出てくるものです。でも単純な話、間違った英語を入れていたら間違った英語が出てきますよ。でも、そうは言ってもまずは相手が理解してくれたら、それはよかったのだとするマインドセットもプラクティカルな側面からいうと大事なのだと思います。

英語を話すときに間違えを恐れてしまわないようにして欲しいのです。どんどん話してみましょう。

日本人は英語が万能の世界共通語というふうに信じている傾向があるように思いますが逆にネイティブスピーカーはそこまでは思っていないように感じます。日本に来て英語が通じないときなどは、みなさんが英語でうまくいかないときと同じような気恥ずかしさや、日本語を勉強しとけばよかった!という気持ちを抱くものです。英語を話すとき、もちろんたくさん間違いをするでしょう。もちろん私が日本語を話すときもそうですから。でも、お互いにそれを責めたりはしないはずです。だからぜひ間違いを恐れないマインドを手に入れてほしいと思います。

そしてまずは楽しむ、それを忘れないことだと思います。

ー 僕のセインさんへのいろんな誤解も解けた今回のインタビュー、とても有意義なものになりました。本日はどうも、ありがとうございました

こちらこそ、ありがとうございました。