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アメリカ合衆国のお金を徹底解説!硬貨や紙幣には誰が描かれている?

アメリカ合衆国のお金を徹底解説!硬貨や紙幣には誰が描かれている?

日本では新紙幣が発行されたばかりですが、それぞれの紙幣に誰が描かれているか、みなさんはご存知ですか? 日本での紙幣についてのDaily Newsの記事もぜひ読んでみてくださいね。

今回は、アメリカ合衆国の硬貨や紙幣についてのお話です。紙幣には、歴史的に重要な人物が描かれていて、それぞれのデザインには深い意味が込められています。

旅行や留学、ビジネスでアメリカを訪れる際に、どの人物がどの硬貨や紙幣に描かれているかを知っておくと、より一層アメリカの歴史に触れることができるでしょう。

今回は、アメリカ合衆国のお金について、硬貨や紙幣に描かれている人物を詳しく解説していきます!

アメリカの硬貨に描かれている人物

それでは、まず最初に硬貨をみていきましょう。アメリカの硬貨は、4種類あります。

1セント硬貨(ペニー)

Daniel Schwen, CC BY-SA 2.5 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5>, via Wikimedia Commons

描かれている人物:エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln

1セント硬貨、通称「ペニー」には、第16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンが描かれています。

彼は、南北戦争を通して国を導き、奴隷解放宣言を発表したことで知られています。ペニーのデザインは1909年からほぼ変わっておらず、リンカーンが描かれている硬貨の中で最も広く使われています。

5セント硬貨(ニッケル)

描かれている人物:トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson

5セント硬貨、いわゆる「ニッケル」には、第3代アメリカ大統領トーマス・ジェファーソンが描かれています。

ジェファーソンは、独立宣言の起草者としても有名です。裏面には彼の邸宅「モンティチェロ」が描かれています。

10セント硬貨(ダイム)

描かれている人物:フランクリン・D・ルーズベルト(Franklin D. Roosevelt

10セント硬貨、ダイムには、第32代大統領フランクリン・D・ルーズベルトが描かれています。

彼は大恐慌からアメリカを立て直し、第二次世界大戦中も大統領を務めた人物です。1946年から彼の肖像がダイムに採用されています。

25セント硬貨(クォーター)

描かれている人物:ジョージ・ワシントン(George Washington

25セント硬貨には、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが描かれています。彼はアメリカ独立戦争を指揮し、独立後の最初の大統領として国を築き上げました。

クォーターは、裏面にアメリカの州や国立公園が描かれたシリーズがあり、収集家にも人気です。

アメリカの紙幣に描かれている人物

次は、紙幣に描かれている人物をみていきましょう。アメリカの紙幣は6種類存在します。

1ドル紙幣

描かれている人物:ジョージ・ワシントン(George Washington)

25セント硬貨でも登場したジョージ・ワシントンは、1ドル紙幣にも描かれています。

彼の肖像は紙幣でも硬貨でも非常に重要なシンボルとなりました。アメリカのお金の中で最も一般的に使われる1ドル紙幣は、ワシントンの功績を象徴しているのではないでしょうか。

5ドル紙幣

描かれている人物:エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)

5ドル紙幣には、1セント硬貨にも描かれているリンカーンが再び登場します。

南北戦争中に国を導き、アメリカを統一した彼の功績は非常に大きく、硬貨と紙幣の両方に描かれています。

10ドル紙幣

描かれている人物:アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton

10ドル紙幣には、アメリカ合衆国初代財務長官アレクサンダー・ハミルトンが描かれています。

彼は、アメリカの金融制度の礎を築いた人物として、経済の発展に大きく寄与しました。ミュージカル「ハミルトン」でも彼の人生が描かれており、近年再び注目を集めています。

20ドル紙幣

描かれている人物:アンドリュー・ジャクソン(Andrew Jackson

20ドル紙幣には、第7代大統領アンドリュー・ジャクソンが描かれています。しかし、近い将来、彼の肖像はハリエット・タブマンに置き換えられる予定です。

こちらについては、記事の後半で詳しく紹介しています。

50ドル紙幣

描かれている人物:ユリシーズ・S・グラント(Ulysses S. Grant

50ドル紙幣には、南北戦争時の北軍の司令官であり、第18代アメリカ大統領のユリシーズ・S・グラントが描かれています。

彼のリーダーシップは、アメリカの統一と再建に重要な役割を果たしました。

100ドル紙幣

描かれている人物:ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin

100ドル紙幣には、アメリカの建国の父の一人であり、発明家や外交官としても知られるベンジャミン・フランクリンが描かれています。

彼は大統領ではなかったものの、アメリカ合衆国の誕生に多大な貢献をしたため、最も高額な紙幣に描かれています。

関連記事:ブレッド?ベンジャミン?「お金」を意味する英語のスラング15選

特別な記念硬貨と紙幣

アメリカ合衆国では、特定のイベントや記念日を祝うために特別なデザインが施された硬貨や紙幣が発行されることがあります。

これらの記念硬貨や紙幣は、歴史的な人物や出来事を称えたり、文化的な価値を強調したりするための特別なものです。これまで発行された記念硬貨や紙幣のいくつかを紹介していきます!

The 50 State Quarters Program

州別25セント硬貨プログラム

発行年:1999年〜2008年

描かれている人物やシンボル:各州の象徴や歴史的な出来事

このプログラムは、アメリカの50州を記念して発行された特別な25セント硬貨です。各州ごとに独自のデザインが施され、その州の歴史や文化を象徴する人物やシンボルが描かれています。

たとえば、カリフォルニア州の硬貨には探検家ジョン・ミューアとヨセミテ国立公園が描かれています。このシリーズは非常に人気があり、収集アイテムとしても広く知られています。

Presidential $1 Coin Program

大統領1ドル硬貨プログラム

発行年:2007年〜2016年

描かれている人物:アメリカ合衆国の歴代大統領

このプログラムでは、アメリカの歴代大統領を称える1ドル硬貨が発行されました。各大統領の肖像が描かれ、彼らの名前と在任期間が記されています。

ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、エイブラハム・リンカーンなど、歴史的に重要な大統領が順番に硬貨に描かれました。

Apollo 11 50th Anniversary Commemorative Coins

アポロ11号50周年記念硬貨

発行年:2019年

描かれているシンボル:アポロ11号月面着陸

1969年のアポロ11号の月面着陸50周年を記念して発行されたこの硬貨には、宇宙飛行士の足跡や月面着陸船が描かれています。この硬貨は、アメリカの宇宙開発の成功を称えるために発行され、革新的な技術と人類の夢が具現化された象徴的なアイテムです。

American Women Quarters Program

アメリカ人女性25セント硬貨プログラム

発行年:2022年〜現在

描かれている人物:著名なアメリカの女性たち

このプログラムは、アメリカの歴史に貢献した女性たちを称えるために発行された25セント硬貨のシリーズです。

たとえば、2022年には詩人マヤ・アンジェロウや宇宙飛行士サリー・ライドが描かれたクォーターが発行されました。アメリカの多様な文化と社会的貢献を反映する記念硬貨として高く評価されています。

これらの記念硬貨や紙幣は、アメリカの歴史や文化に対する理解を深めると同時に、収集家にとっても魅力的なアイテムとなっています。

通貨のデザイン変更の頻度

アメリカの通貨のデザインは頻繁には変更されません。特に紙幣のデザインは数十年単位で変更されることが一般的です。

硬貨に関しては、記念硬貨など特別な場合を除いて基本的なデザインは長期間維持される傾向があります。

たとえば、1ドル紙幣のデザインは1963年以来大きな変更がありません。ただし、偽造防止技術の進化や歴史的な節目に応じてデザインが改訂されることもあります。

最近の変更予定でいえば、先述した通り、ハリエット・タブマンが20ドル紙幣に登場する予定があることが挙げられます。ここについては、次の章で詳しく解説していきます。

ハリエット・タブマン|自由の象徴が20ドル紙幣に

アメリカの歴史には、自由と平等を象徴する多くの偉人がいますが、その中でも特に輝かしい功績を残したのがHarriet Tubman(ハリエット・タブマン)です。

彼女は、奴隷制度がまだ存在していた時代に、多くの人々を奴隷から解放し、自身も逃亡奴隷として自由を勝ち取った女性です。

タブマンは奴隷だったにもかかわらず、自身の自由を手に入れ、その後も地下鉄道という秘密のネットワークを使って、他の奴隷たちを南部から逃がす活動をしました。さらにその後、南北戦争中には北軍の看護師やスパイとしても活動し、アメリカの自由と平等のために闘い続けました。その生涯を通じて、彼女は多くの人々に希望を与えました。

だからこそ、彼女を紙幣の表に採用することは、アメリカの歴史的な正義の象徴でもあるのです。

ちなみに、彼女を題材にした映画もあります。タイトルは「ハリエット(Harriet)」。気になった方は観てみてはいかがでしょうか?

20ドル紙幣への採用計画

2016年、アメリカ政府はハリエット・タブマンの肖像を20ドル紙幣の表に採用する計画を発表しました。これは、彼女が初めてアメリカの紙幣に描かれる黒人女性であり、また、奴隷制度からの解放という歴史的な役割を持つ人物が採用されることになるという非常に重要なステップでした。

現在の20ドル紙幣には、第7代大統領アンドリュー・ジャクソンの肖像が描かれていますが、彼は奴隷制を支持していたため、この変更には大きな意義があります

当初、この新しい20ドル紙幣は2020年までに発行される予定でしたが、技術的な問題や政治的な遅れにより、実際の発行は2030年頃になる見込みです。

それでも、多くの人々がこの新しい紙幣を楽しみにしています。

彼女の肖像が紙幣に描かれることは、アメリカのあらゆる人々が自由と平等を享受する権利を持っているというメッセージを、次世代に伝える上で非常に重要な意味を持つでしょう。

お金の歴史や文化にも目を向けよう

アメリカ合衆国の硬貨や紙幣には、それぞれ歴史的な意味があり、アメリカを形作った重要な人物が描かれています。

お金は日常生活で欠かせないものですが、デザインに込められた歴史や意味を知ることで、さらにアメリカという国の背景を理解できるのではないでしょうか。

英語を学ぶだけでなく、他の国の文化や歴史にも触れることで、さらにモチベーションも上がるはず。次にアメリカのお金を手に取るとき、ぜひその人物の功績にも目を向けてみてくださいね!