西東 たまき
(更新)
「やっぱり」「やはり」という表現、きっとみなさんもよく使っていると思います。
「外はやっぱり寒かった」のような「思った通り、案の定」という意味や、「やっぱりあなたらしい」のように「今でも、依然として」という意味がありますね。
さらには「やっぱり、〇〇にしておく」のように気が変わったときや、「やっぱり〇〇しておけばよかった」と、後悔を表すときにも使います。
今回は、改めて見てみるとさまざまな意味がある「やっぱり」のニュアンスを英語で表す方法をご紹介していきます!
「やっぱり」という日本語は、文頭で挙げたようにさまざまなニュアンスで使い回せるとても便利な言葉です。でも、英語ではそう都合よくいきません。
伝えたい内容に合った英語表現を、使い分けて表す必要があります。さっそくニュアンス別に見ていきましょう。
まずは、「思った通り、予想通り」という意味で使う「やっぱりそうか」のニュアンス。
英語では「思った通り、予想通り」をそのまま文章の形にして表現します。どれも定番の英語フレーズなので、そのまま覚えて、そのまま使ってください!
■ I knew it
know「知る」の過去形 knew を使った英語フレーズです。knew は、「すでに知っている・わかっている」状態のときに使う形です。
I knew it で「すでに知っていた、分かっていた=やっぱり」の意味になるというわけです。
「ごめんなさい。やったのは私なんだ」
「やっぱりね」
■ I thought so
こちらの英語フレーズでは think「思う、考える」の過去形 thought が使われています。「そうだと思った=やっぱり」となる英語フレーズです。
「今日は郵便局は閉まっていたよ」
「やっぱりね」
■ I expected so
expect「予想する」の過去形 expected を使って、「そう予想していた=やっぱり」と言い換えることもできます。
「招待されてないと入場できないって言われた」
「やっぱりね」
■ as I thought/expected
as「~の通り」を使って、「思っていた通り/予想していた通り=やっぱり」の意味になっています。
「彼は来たがらなかったよ」
やっぱりね」
また、「やっぱり~だ」という1つの文章にするときは、下記の形を使います。
「やっぱり彼は来たがらなかった」
■ That's what I thought
what I thought は「私が思った事柄」という意味です。That's what I thought で「それは私が思った事柄である=やっぱり」という英語表現になります。
「この牛乳、消費期限過ぎてるね」
「やっぱり」
「やっぱり」を表すのに thought や expected を使った英語表現を紹介してきましたが、imagined「想像した」や suspected「もしやと思った」など、事前に心に描いたという意味の言葉を使って言い換えることもできます。
「やっぱりね」
「やっぱりね」
■ should+過去完了(have+過去分詞)
後悔を感じたときなど、過去を振り返って「やっぱり~すればよかった」というときは、「should+過去完了(have+過去分詞)」の文章を作って表現します。
「〇〇しておくべきだった=やっぱり〇〇しておけばよかった」のニュアンスです。
「やっぱり、あれを食べておけばよかった」
「やっぱり、あなたはそう言えばよかったね」
「やっぱり~しなければよかった」という否定の意味を作るときは「should not(またはshouldn’t)+過去完了(have+過去分詞)」にします。
「やっぱり、あれを食べなければよかった」
「やっぱり、あなたはそう言わなければよかったね」
■ actually
お店で注文したものの気が変わったときなど、いったん表明した考えを変えて「やっぱり~にします」という状況では、actually でニュアンスを伝えられます。
「実は、実際に」の意味で習った actually ですが、場面によっては「やっぱり」の意味にもなるのです。
「うーん、やっぱり、これにするわ」
「やっぱり、それキャンセルしていいかな?」
■ after all
「なんだかんだいってやっぱり」「やっぱり~が一番」とは、つまり「結局」の意味ですよね。文字通り after all「結局」で表現しましょう。
「やっぱり、これが一番」
「やっぱり、これ無しではやっていけないんだよね」
何かを言おうとしたけど「やっぱりいいや」というときの「やっぱり」もありますね。
■ Never mind
Never mind は「気にしないで」の意味の定番の英語フレーズですが、これもまさに「気にしないで=やっぱりいいや」の英語表現になります。
「何て言おうとしてたの?」
「やっぱりいいや」
■ It's nothing
「何でもない」という意味の (It's) nothing の英語フレーズを使っても同じ意味になりますよ。
「何て言ったの?」
「いや、やっぱりいいや」
■ still
「今でもやはり、依然として」を表す「やっぱり」もありましたね。これも難しく考えることはありません。
「今でも、まだ」を意味する still を使って、文字通りに表現すればよいのです。
「やっぱり君はまだ子供だね」
「やっぱりまだ雨だ」
「やっぱり」の一語で済む日本語と違って、英語では伝えたいニュアンスに合わせた表現をその都度作らなければならないので、少し難しいと感じるかもしれませんね。
でも、「やっぱり」の言葉にとらわれず「頭を柔らかくして」伝えたいことをストレートに表す英語表現を作ればいいのです!
日本語では「やっぱり」の便利さに頼って、場面ごとに意味の違いを考えたりしませんが、英語ではどんなニュアンスを伝えたかったのか突き詰めて考える機会になります。
ぜひ日本語と英語の表現の違いを楽しんでみてください!