K. Inoue
(更新)
「急な用事ができて予定を延期しなければならなくなった」
「時間に間に合わないので約束を延期して欲しい」
「事故で電車が遅れてしまった」
このような経験、誰しも一度や二度はしたことがあると思います。
日々いろいろな予定や約束を抱えている現代人にとっては、延期や遅延など日常茶飯事という人もきっとたくさんいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、延期や遅延にまつわる英語をご紹介していきます。
「延期する」って英語でどう言えばいいの?
「電車が遅れた」ってどう言えば伝わるの?
など、シチュエーションごとにどのような英単語や英語フレーズを使うべきなのか、この記事を参考にしていただければ嬉しいです。
「延期する」を意味する代表的な単語の一つが postpone です。
「会議は来週まで延期する必要がありそうですね」
このように公の場や仕事など、かしこまった場面で使われることの多い単語ですが、一般的な文脈でも広く使われます。
特徴としては、少しかしこまったニュアンスがあることと、何らかの理由による延期の場合に使われることです。
「大雨のため試合は延期されました」
また以下のように、イベントなどの会場で雨天延期を知らせる掲示などにも使われます。
「悪天候のため順延 1月21日へ」
ちなみに、post「後に」、pone「置く」という意味が原義です。もともとの予定を「後ろに置く」から、「延期する」という意味になっているのですね。
postpone とセットで覚えておきたい表現が put off。
「彼らは新型コロナウイルスのため、結婚式を延期せざるをえなかった」
put off は postpone よりもくだけた表現で、日常会話で頻繁に使われます。
ただし、「自分の都合で延期する」とか、「やりたくないから先延ばしにする」といったニュアンスで使われることもあります。
「今日できることは明日まで延ばすな」
これは有名なことわざですが、やりたくないから先延ばしにするという、ネガティブなニュアンスを読み取ることができますね。
なお、put「置く」、off「離れた」という意味から、予定されていたところから「離れた」ところに「置く」→「延期する」という意味になっています。
delay には天候や災害、事故などの自然発生的または不可抗的な理由によって「遅らせる」というニュアンスがあります。
「台風のせいでフライトが遅延しました」
また、いつまでも遅れを引っ張り続ける、という後ろめたさのようなニュアンスでも使われます。
「彼女は数カ月も支払いを延滞している」
adjourn は会議や業務、法廷などを延期する場合に使われる、かなり堅い単語。
延期と言っても、必ず再開することを前提としており、どちらかと言えば「一時中断」や「休止」に近いニュアンスです。
「法廷は6月まで休廷となりました」
事業や活動などを、一時的に停止して延期することを表すのが suspend です。
「事故のためバスの運行は停止になりました」
suspend は adjourn と違い、必ずしも再開を前提としません。そのため、期日を決めずに「保留にする」という意味で使われることもあります。
「彼らはその案件を保留することに同意した」
また、suspend は「停職・営業停止させる」や「停学にする」といった罰則の意味でも使われます。次の営業や通学の再開までその権利を奪い延期させる、というニュアンスです。
ちなみに、sus は「下に」、pend は「つるす」という意味。何かがぶら下がって宙ぶらりんになっている様子から、再開を前提としないという曖昧な様子が連想できるのではないでしょうか。
<img src="https://assets.blog.engoo.com/wp-content/uploads/sites/15/2021/01/09035526/shutterstock_457543690.jpg" alt="ほかの英語表現で延期を伝える
ここまでご紹介してきたもの以外にも、単語や言い方を工夫することで「延期する」を表すことができます。
「延期する」は言い換えれば「日程を変える」という意味なので、たとえば reschedule「予定変更する」という単語を使うことができます。
「約束を水曜から金曜に変えてもらうことはできますか?」
reschedule が難しければ、シンプルに change を使ってもいいですね。
「フライトの時間を変えたいのですが」
予定の時間や曜日の「代わりに」を instead という単語で表すこともできます。
「代わりに10時にお会いできますか?」
電車やバスなどが遅れているときに使えるのが behind schedule です。
「予定の後ろ」が直訳ですが、通常のダイヤに追い付いていない、つまり「遅延」を表します。
「電車が30分遅れています」
いかがだったでしょうか。
人は日々、予定や約束を抱えて生活しています。
たくさんの予定や約束を抱えていれば、急な用事やアクシデントで延期を余儀なくされることや、「今日に限って…」というタイミングで電車が遅延してしまうことなどは決して少なくありません。
筆者も、絶対に遅刻したくない日に限って電車が遅れるというアンラッキーに見舞われることが多々あります…
よくあることだからこそ、どういうケースでどのような英単語や英語フレーズが使えるのか、まずは今回ご紹介したものから覚えて使いこなせるようになっていただけると嬉しいです。