平林 可蓮
(更新)
私たちの生活の一部となっている、音楽。
最近では、街を歩けばお店からBGMが聞こえてきたり、ストリートミュージシャンの演奏が常に聞こえてきます。電車の中を見渡してみると、たくさんの人がイヤフォンをつけています。
学生は学校で音楽の授業があったり、現代人が音楽に触れない日はないといっても過言ではないでしょう。そんな中、みなさんが英語で音楽についてお話しする機会もきっとあるはず。
音楽は世界共通言語だから音楽用語も一緒なのかな? 似ているのかな? と思う方もいると思いますが、実は私たちは「日本ならではの呼び方」で音楽用語を使っていることが多いです。
今回は日本語では知っているけれど、英語では意外と知らない「音楽用語」をいくつかご紹介いたします!
日本で音階を言う際、一般的には【ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド】が使われていると思います。元々この言い方はイタリア語からきています。日本語では、【ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ・ハ】も使われます。
それでは英語ではどのように表すのでしょうか?
英語で音階を言う際は【C・D・E・F・G・A・B・C】が使われます。
クラシック音楽をする際には、【ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド】が世界中で一般的に使われ、ポップス、またはジャズ音楽をする際には世界中で【C・D・E・F・G・A・B・C】が一般的に使われます。
“G clef” または “treble clef” が使われます。
ト音記号を見てみると、五線譜上でソ(G)の音のところから記号が書き始められているので “G clef” と言われます。
“F clef” または “bass clef” が使われます。
ト音記号と同じ理屈で、ヘ音記号は五線譜上でファ(F)の音のところから記号が書き始められているため “F clef” と言われます。
四分音符〜全音符など、同じ英語でもアメリカ英語とイギリス英語で音楽用語が大きく異なる場合があります。
日本語 | 英語 | 読み方 |
ト音記号 | treble clef | トレブルクレフ |
ヘ音記号 | bass clef | ベースクレフ |
四分音符 | quarter note(*1)(米) crotchet(英) | クォーターノート クロチェット |
八分音符 | eighth note(米) quaver(英) | エイスノート クエイバー |
十六分音符 | sixteenth note(米) semiquaver(英) | シックスティーンスノート セミクエイバー |
二分音符 | half note(米) minim(英) | ハーフノート ミニム |
全音符 | whole note(米) semibreve(英) | ホールノート セミブリーブ |
シャープ | sharp | シャープ |
フラット | flat | フラット |
長調 | major | メジャー |
短調 | minor | マイナー |
調 | key | キー |
拍 | beat | ビート |
小節 | bar | バー |
休符 | rest | レスト |
テンポ | tempo | テンポ |
コード進行 | chord progression | コードプログレッション |
*1… “half” は「二分の一」、“quarter” は「四分の一」、“eight” は「八分の一」、“sixteenth” は「十六分の一」という意味です。
日本語では単に「楽譜」と言われますが、英語ではこんなにもたくさんの表現の仕方があります。
特別、意味に違いはありません。どのジャンルの音楽に対しても、どの編成の音楽に対しても、全ての表現を自然に使うことが出来ます。
日常会話で使う場合は、“(musical) score” を “score” と言うように “musical 〜” の部分を省いてシンプルに表現する人が多いです。
「私は楽譜が読めます」
「あなたの楽譜を私に送っていただくことは出来ますか?」
ちなみに五線譜は、 “staff” (アメリカ英語)や “stave” (イギリス英語)が使われます。
「私はピアノレッスンのために五線譜を買わなければいけません」
「今、五線譜を持っていますか?」
また、「楽譜なしで〜」というふうに言いたい場合は “〜 by ear” を使うことがあります。楽譜を目で見て弾くことに対して、楽譜なしで=耳を使って弾くようなイメージです。
「彼は楽譜なしでピアノを弾きました」
「私はこの曲を楽譜なしで演奏できます」
「楽譜を読む」は “read music” と表現されます。
「楽譜に書く」は “notate” または “pencil in” が使われることが多いです。
「私は楽譜を読む事が得意です」
「私は誤ったリズムパターンを書き込んでしまいました」
「私達はバンドリーダーが言った事を書き込みました」
“notate” は元々、語彙や文章にわかりやすいように補足や解説を入れることを意味します。
「◯◯奏者」は英語で "◯◯ player" の他に、下記のような言い方をします。
サックス奏者 | saxophonist |
---|---|
トランペット奏者 | trumpeter |
フルート奏者 | flutist |
トロンボーン奏者 | trombonist |
ギター奏者 | guitarist |
ベース奏者 | bassist |
ドラム奏者 | drummer |
バイオリン奏者 | violinist |
チェロ奏者 | cellist |
指揮者 | conductor |
また、金管楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバなど)は “brass instrument” と表現し、木管楽器(サックス、クラリネット、オーボエなど)は “woodwind instrument” と表現します。
いかがでしたか?
なかなか日常で使うことはない音楽専門用語ですが、いざという時に知っていると、たいへん便利です。
「音楽は国境を超えます」
「音楽は世界共通言語です」
音楽の力は本当に偉大です。みなさんが世界中どこでも音楽を楽しめるといいなと心から思います。
今回の記事がみなさんの英語学習に少しでも役に立てば幸いです。また、この記事を読んで「音楽」に関する英語についてもっと知りたいことが出てきたかもしれません!!!