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Jane Austen(ジェーン・オースティン)って誰?魅力と読むべき小説

Jane Austen(ジェーン・オースティン)って誰?魅力と読むべき小説

英文小説を執筆する著名な女性作家として必ずその名が挙がるのが Jane Austen(ジェーン・オースティン)です。映画で見ることもできますよ。

キーラ・ナイトレイ主演の2005年の作品『プライドと偏見/Pride & Prejudice 』はジェーン・オースティンの代表作『高慢と偏見/Pride and Prejudice』を原作としています。

今回は、18世紀から19世紀の境目を生きたイギリスの小説家 ジェーン・オースティンの魅力についてご紹介します!

Jane Austenって誰?

ジェーン・オースティンは、1775年12月16日イギリスの南岸ハンプシャー州スティーブントン(Steventon, Hampshire)に生まれた小説家です。ちなみに、同じハンプシャー州からはイギリスの文豪、チャールズ・ディケンズも輩出されていますよ。

2024年の今もなお、数あるイギリスの作家たちの中でジェーン・オースティンはシェークスピアに次ぐ人気を誇っています。

ジェーンは、男6人・女2人という8人きょうだいの下から2番目に生まれ、1817年7月18日に41歳で亡くなります。亡くなる一年ほど前から体調を崩しており、残された記録から後年に下された診断では、日本で指定難病とされているアジソン病(Addison's disease)や、ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma)とみられると推測されています。

彼女は、10代に入る頃に小説を書き始めます。ジェーンが11歳から18歳ころに小説を書き溜めたノート3冊が今も残っており、Love and Freindship、Lesley Castle、Lady Susan はそのころの作品です。なお、Love and “Friendship” と書かれるべきところ、間違ったスペルになっているのをあえてそのままのタイトルで出版されているバージョンもありますよ。

ジェーン・オースティンの代表作

ジェーンの小説は女性を主人公としたドラマで、当時の地方の中流階級社会とそこでの人間模様が綴られます。代表的なものは以下の通り。それぞれの作品にまつわるエピソードをご紹介しますね。

また、この時代に書かれた小説は古めかしい文体も代えがたい魅力です。洋書で読むなら unabridged と表示されている本を選ぶと簡略化されないままのオリジナルのままの作品を楽しむことができますよ。

古風な表現といっても、英語の本が読めるようであれば理解できるので挑戦してみるとよいでしょう。きっと新たな英語の楽しみを発見できます!

分別と多感/Sense and Sensibility(1811年)

初めて出版されたジェーンの作品が『分別と多感/Sense and Sensibility』です。当時は女性が作家となることに偏見があり、多くの女性作家は名前を明かさずに本を出すような時代でした。この小説もまた、ジェーンの名を伏せて By a Lady という匿名で出版されました。 

エマ・トンプソン、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・グラントというイギリスを代表する俳優陣による1995年の映画『いつか晴れた日に』はジェーン・オースティンの『分別と多感』を原作としています。映画のオリジナルタイトルは『Sense and Sensibility』です。

Pride and Prejudice/高慢と偏見(1813年)

ジェーンの代表作といえば、1813年に出版された『Pride and Prejudice/高慢と偏見』でしょう。実は、ジェーンが20代に入ったばかりの1796~1797年にかけて執筆した『First Impressions』という小説がもとになっています。当初ジェーンの父親が出版社に持ち込みましたが、そのときは認められませんでした。

1813年になり、ついにこの本が出版されますが、そのときも By the author of Sense and Sensibility(『分別と多感』の著者)という匿名でした。結局ジェーンが存命中は、ジェーン・オースティンという名で本が出版されることはなかったのです。

Emma/エマ(1815年)

1815年の年末に出版された『エマ』は、ジェーンの人気作品の上位3位に入ります。この小説は、ジェーン・オースティンの大ファンだった当時の摂政皇太子・のちのイギリス王ジョージ4世に贈られています。乱れた生活を送る皇太子をジェーンは好ましく思っていませんでしたが、皇太子に頼まれてはさすがに断れなかったそうです。

ところで実は、著作権の切れた名作は、その全文が Project Gutenberg/プロジェクト・グーテンベルクというインターネットサイトで無料で公開されています。もちろん、ジェーン・オースティンの小説もたくさん見つかりますよ。まずはここで、本屋さんに向かう前の品定めをしてみるのもよいでしょう。

ジェーン・オースティンについてもっと知るには?

Jane Austen's House, Chawton by Colin Smith / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0

ジェーンが1817年に亡くなるまでの最後の8年間を過ごしたイギリス・チョートンにある家がミュージアムとして公開されています。

ジェーン・オースティンに興味がある人だけでなく、イギリスの庭やインテリア、アンティークに興味がある人にもぴったりな空間です。

▶︎ Jane Austen’s House 公式サイト

彼女の作品の魅力を探ってみよう

今回は、19世紀初頭に活躍したイギリスの人気作家 ジェーン・オースティンについてご紹介しました。

今の時代でもなおイギリスの人気作家上位を占める人気がありながら、女性が自由に芸術活動を行うことができなかった当時は、本の出版も軒並み匿名にせざるを得なかったという史実に驚いた方もいたのでは?

ジェーンの世界観に映像で浸るもよし、原文での読書もよし、和訳で読むもよしです!