Flower(花)とFlour(小麦粉)も?実は同じ語源を持つ英単語集
英語は、「語源」がおもしろい言語です。語源というのは、個々の単語の成立の由来や起源、または本来の意味を指します。
そんな英語は、ドイツ語やフランス語など、たくさんの言語を寄せ集めてできた言語であるため、文法のルールから言葉の意味まで、統一性はないといえばないですし、覚えるのに苦労することもあるでしょう。
しかし、それが逆におもしろい発見につながることもあります!
今回は、同じ語源を持つけれど、今ではまったく違う意味を持つ単語たちを特集します。
同じ語源を持つ英単語
flower/flour
「花」と「小麦粉」は同じ言葉に由来するの!?と思うかもしれません。
どちらの言葉も、「花、粉」、または「花を咲かせる」を意味する古フランス語の「flor」に由来します。名詞の flour は、挽いた穀物のもっとも細かい部分を指すのに使われ、穀物の「花」と見なされていました。
やがて、flour の綴りは、特に料理に使う細かく挽いた粉を指すものに統一され、flower の綴りは、植物の色鮮やかな生殖部分を指すものに統一されたのです。
今ではまったく違うものである「花」と「小麦粉」が昔は同じ言葉だったというのはおもしろいですね。
nation/native
nation と native は、いずれもラテン語で「生まれる」を意味する「natus」に由来する言葉です。
nation はもともと、生まれや出自を共有する人々の集団を指し、のちに政治的に組織された共同体や国家を意味するようになりました。
一方、native は、生まれつきのものを意味し、特定の場所や環境で生まれた人やものを表現するのに使われます。
このように、どちらの言葉も、生まれや起源という考え方に共通する語源を持っています。
tulip/turban
tulip の語源は、トルコ語で「ターバン」を意味する「tülbent」です。
これは、チューリップの花の形が、世界の一部で着用されている頭部を覆うタイプのターバンの形と似ているためです。
ヨーロッパでチューリップが普及するにつれて、花を指す言葉として tulip が採用され、ターバンを指す言葉としては元のトルコ語の「tülbent」が使われ続けました。
etiquette/ticket
etiquette と ticket の語源は、いずれも「メモやラベル」を意味する古フランス語の「estiquette」です。
etiquette という言葉は、もともと、社会的な状況において、どのように振る舞うべきか、どのように行動すべきかを示すために、誰かに与えられるラベルや指示のことを指していました。
同様に、ticket という言葉も、もともとは、支払いが行われたことや、その物の使用が許可されていることを示す、物に貼られるラベルやメモのことを指していました。やがて、「チケット」という言葉は、旅行券や駐車券など、入場や許可を与える紙やカードに特化して使われるようになりました。
つまり、etiquette も ticket も、古フランス語でラベルやメモを意味する言葉にルーツがあり、それが時代とともに進化して、英語では異なる意味を持つようになったのです。
capture/captivate
captivate は「捕虜にする」という意味のラテン語の「captivare」に由来します。また、capture もラテン語の「captura」から来ており、「捕獲」という意味があります。
どちらの言葉ももともとはラテン語の動詞「capere」から来ており、これも「奪う」という意味です。
つまり、captivate と capture のつながりは、どちらも何かを取る、奪い取るという発想にルーツを持つということです。
capture は物理的に何かを奪うことに直結し、captivate は誰かの注意や関心を引きつけることに直結します。
foot/pedal
foot と pedal は、ラテン語で「足」を意味する「pes」を語源とします。
foot という言葉は、古英語の fot に直接由来し、その語源はゲルマン祖語の fōts からきているそう。この単語はもともとは、前述のラテン語の語源と同じ pes に由来します。
一方、pedal は「足の」「足の長さ」を意味するラテン語の「pedalis」に由来します。この単語も、同じくラテン語の語源である pes から派生しています。
このように、言葉のルーツに意外なつながりがあるのは面白いですよね!
costume/custom
costume と custom の語源は、いずれもラテン語で「習慣」「慣習」を意味する「consuetudinem」です。
custom は「習慣」「癖」を意味する古フランス語の「costume」に由来します。costume はフランス語から直接英語になったもので、もともとは「流行りの服装」「服装のスタイル」という意味でした。
やがて costume の意味は、ハロウィンの仮装や演劇の衣装など、特定の機会や目的のために着用されるあらゆる種類の衣服に発展していきました。
つまり、custom と costume はラテン語で同じ起源を持つものの、時代とともに意味が分岐し、異なるものを指すようになったのです。
sun/solar
sun も solar も、もともとはラテン語の「sol」に由来しています。
sun という言葉は、古英語の sunne に直接由来しており、これはゲルマン祖語の sunnon から派生したものです。そしてこのゲルマン祖語は、ラテン語の sol から借用されたものです。
一方、solar はラテン語の solaris に由来し、これも sol から派生した言葉です。solaris は「太陽の、太陽に関係する」という意味を持ちます。
ソーラーパネルなどの「ソーラー」は、まさにこの「太陽の〜」という意味です!
英単語には意外なつながりがある!
言葉の語源を探ることで、一見無関係に見える英語の用語の間にある魅力的なつながりや関係を明らかにすることができます。
言葉の歴史的な起源をたどることで、その言葉が時代とともにどのように進化してきたか、異なる言語や文化がその意味や使い方にどのような影響を与えたかを明らかにすることができます。
今度、新しい言葉に出会ったら、そのルーツとその背後にある豊かな歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか?