SHIORI
(更新)
英語を勉強するにあたって、文法をおさえることはとても大切ですが、英文法への苦手意識を持っている方はとても多いと思います。
一方、英語を習得して使いこなし、国内外問わずバンバン活躍されている方がたくさんいるのも事実です。
彼らはどうして英文法をマスターすることができたのでしょうか?
それはきっと、彼らが、効率的に英文法をマスターできるコツを見出したからなのでしょう。
そこで今回は、英語をマスターされた方の多くが実践してきた文法の覚え方と、効率的に身につける勉強方法を紹介していきたいと思います。
単刀直入に言って、英語を習得する上で、英文法の勉強はとても重要になってきます。
というのも、英文法は英語学習の土台であり、言語のルール(法則)だからです。このルールを解釈することにより、正しく意味を理解し、使うことができるようになります。
一方、言語のルール(英文法)を知らなくても会話をすることは可能ですが、正しく意味が伝わらなかったり、相手の言っていることを取り違えたりと、言葉のキャッチボールに支障が出ることは少なくないでしょう。
つまり、英語を学ぶ上で英文法の勉強は必要不可欠なのです!
しかし、重要だとはわかっていても、文法の勉強はすごく退屈で、なかなか続かないという人が多いのではないでしょうか。
確かに、ひたすら頭で覚えようとするだけの勉強は、眠くなってきたり、退屈すぎてなかなか覚えられなかったり、せっかく覚えたと思ったのに次に日には忘れていてイライラしたり…と、なかなか身に付きません。
それでは、どうしたら飽きずに、効果的に英文法の勉強ができるのでしょう?
次にそのコツとキーポイントを紹介していきます。
上記で述べたように、文法を勉強することは重要ではあります。ですが、だからといって、1日に何時間も文法の勉強ばかりをする必要はありません。
というのも、多くの日本人は、「英語学という学問の研究をしているのか?」と疑問に思ってしまうほど、英文法を猛勉強している印象があります。しかし、それは時間の無駄になっていることが多いのが実情。
たとえば、日本語で考えてみましょう。みなさんは学校で日本語の文法を習う前から、日本語を話せていませんでしたか?
日本語の文法の授業は、日本語がすでに話せている状態で、専門用語を学びながら詳しい分析をしていたと思います。つまり、話せるようになるのに、学術的な文法の知識は必要ないのです。
そのため、1日何時間もの時間を文法の勉強に費やすのではなく、1日10〜30分程度(または飽きを感じる前まで)文法を勉強するだけでも十分です。残りの時間は、実際に英語を使う練習に力を入れるということが、重要になってきます。
あまりにも文法に力を入れすぎて、勉強した英語を使う練習がおろそかになってしまっては、息詰まるだけでなかなか英語を話せるようにはなりません。
英語をマスターできた人とそうでない人には、大きな違いがあります。
それは、英語を習得できない人の特徴が「頭でひたすら文法(主語+動詞+形容詞…)を覚える」ということに対し、英語を習得できる人の特徴が、「感覚で英文法を覚える」という点です。
たとえば、みなさんが日本語を習得した際、難しい専門用語(主語・述語・形容詞・動詞)などを使って、分析をしながら文法を覚えたでしょうか?
そして、みなさんは日本語の文法を、専門家のように第三者に対して完璧に説明できるでしょうか?
これらの質問に対して、ほとんどの人が「いいえ」と答えるはずです。
そう、ネイティブはみんな、第一言語を、親や周りにいる人、テレビやラジオ、(絵)本など、聞こえてきたもの、または目で見たものから学びます。
そして自分も同じように使うようになり、やがては、間違った文法を聞いたときに、「何が間違っているかわからないけど、何かが違う」という違和感を感じるようになるのです。
これこそが、感覚的に文法を覚えるということになります。
どのような語順で単語が並んでいるのかを感覚的につかみ、それを気持ちが良いような聞こえ方になるように、パズル感覚で並べていく。
これこそが英語を習得する上でもっとも重要な要素になってきます。
学術的な英文法にとらわれず、日本語ではもうすでにできていることを、英語の語順でできるようになればいいのです!
英文法はわかるけど英語が話せない、という頭でっかちな状態にならないように注意しましょう。
自然に第一言語を身につける子供は、「言語を学ぶ」という意識は当然持っていません。
日頃から何かを聞いたり、読んだり、目にしたり、使ったりして言語を習得していきます。これと同じような感覚で英語を学ぶと、より効率良く身につけることができるはずです。
たとえば、子供がよくしていることの中で、「真似をする」ということは、言語習得にとても大事なことです。
子供は遊び感覚で、聞こえてきたものを復唱することがありますが、この復唱をすることにより、耳と頭と口で、正しい文章の語順を感覚的に身につけることができます。発音も然りです。
私たちのような大人の場合でも、映画のセリフを復唱してみるだとか、本の朗読をしてみるだとか、アニメのキャラクターになりきって漫画を声に出して読んでみるなど、出来ることはたくさんあります。
また、「新しく習った単語を使って1分以内に3-5つの例文を作ってみる」や「10分間で目にしたものを使って瞬時に何個の英文が作れるかに挑戦してみる」などという、自分の中でゲーム感覚でできるトレーニング(遊び)を考えるのも良いでしょう。
最近は英語学習用のアプリもたくさんあるので、それらを利用するのも一つの手です。
キーポイントは、いかに英語「学習」という意識を持たずに英語に触れられるか。アイデア次第で、「苦手」を「好き」に変えることはいくらでもできるのです。
文法を、難しい専門用語(助動詞・受動態・仮定法など)を使いながら勉強すると、それだけでどうしても難しい印象を持ってしまいます。
人間は、一度難しいと感じてしまうと、簡単なことでも難しく捉えてしまい、理解するのにさらに時間がかかってしまうことがあります。そのため、「難しいなあ〜と感じるレベルの高い文法は、わざわざ分析しながら勉強する必要はありません。
まずは簡単な文法の基本(S+V+Oなど)をマスターし、そのほかの難しいと感じる部分は、例文だけたくさん読んでみるなどをしていると、語順感覚が身に付き、のちのち自然に使えるようになっていきます。
焦らず、自分のペースで、あまり凝った英文法の勉強をしないのが続けるコツです。
英語に限らず、2つ以上の言語を習得している人には共通点があります。それは、とても要領がよく、時間の使い方がうまいということです。
英語学習の目的にもよりますが、1日何十時間も英語学習に費やす必要はなく、英語を話せるようになるには、隙間時間だけでも十分だったりします。
手元にスマホなどがあれば、アプリで英単語や文法のトレーニングをしたり、なければ瞬時に英文を作ってみたり、考えごとを英語でしてみたりなど、時間を有効的に活用するようにしましょう。
さて、上記では英語を効率よく身につけるコツや、マインドセットの部分を紹介してきました。
次に、実際にできる英語脳を作るためのトレーニング方法を、重要な2つのカテゴリに分けて紹介していきたいと思います。
英語脳を作る上で重要な要素の一つ目は、語順感覚を身につけることです。語順感覚を身につけるには、下記の勉強方法が効果的です。
音読とは、文章を声に出して読むことで、語順感覚を身につけるための基本になります。
声に出してよりたくさんの英文を読むことによって、目から見た形(視覚)、耳から入る音(聴覚)、口で発音するときの筋肉の動き、そして頭での理解、この全てで、効率よく正しい文法の語順を記憶させることができます。
視覚しか使わない黙読は、記憶したり、感覚を掴むのに時間がかかってしまい、効率が上がりません。英文は、声に出して読むようにしましょう。
暗唱とは、書いてある文章を頭に記憶し、それを見ずに文章を声に出して唱えることです。音読と似たような効果があり、語順感覚を身につけることができます。
さらに、日頃から使えそうな英文の例文を暗唱することによって、いざ自分が使いたい場面に直面した際に、何も考えずとも自然と口からその文章が出てくるようになります。
よく、「毎日シャドーイング(英語を聞きながらそれを真似して発音する訓練方法)や音読をしているのに上達せず、この勉強方法に意味があるのかわからない」という人がいます。
確かに、シャドーイングや音読は語順感覚を身につけるのに適していますが、文章を覚えるまでしないと、「英語を話せるようになる」という意味では、あまり意味がありません。
語順感覚が身について違和感に気づくことができても、文章を覚えていないということは、実際に自分で使うことができないということです。
そもそも、文章を覚えるまで繰り返しシャドーイングや音読をしていない場合は、語順感覚も身についていないことが多いです。
よって暗唱することは、英語を実際に使えるようになるためにも、とても重要な勉強方法になってきます。
スラッシュリーディング(区切り読み)とは、英語のカタマリごとにスラッシュ(/)を入れながら、英語の語順のまま、前から読んでいく勉強方法になります。
「私はわかりません/何を/サラがしている(のか)/今」
日本人の多くは、英語を日本語に訳すときに日本語の語順に並べ替え、後ろから読んでいくと思います。
もちろん、日本人としてその方が理解しやすいのかもしれません。ですが、それでは訳すのに時間がかかってしまうだけでなく、英語の語順感覚がなかなか身に付きません。
語順が日本語と違っても文章の意味を理解することはできます。日本語の語順は完全に無視し、英語のカタマリを頭から順番に訳していく癖をつけることによって、語順感覚が身につきます。
そうすると、速読ができるようになるだけでなく、リスニング力も同時にアップすることができます。これは、英語を聞いている際に日本語の語順に並べ替える必要がなくなり、より早いテンポにもついていくことができるようになるためです。
語順感覚を身につけるには、読むだけでなく、できるだけたくさんの英文を聞く必要があります。
いろいろな英語表現を耳にし、聞き覚えのある英文を増やすことにより、間違った表現を聞いたときの違和感をより正確にすることができます。
映画やドラマ、YouTubeなどを通して、たくさん英語を聞くようにしましょう。このとき、全てとは言いませんが、できるだけ復唱するようにすると、さらに効率良く語順感覚を身につけることができます。
暗唱と同じように、「聞き覚えがある」だけでなく「使えるようになる」には、復唱もとても重要です。
次に英語脳を作るために重要なのは、実際に使ってみるということです。
人間は、練習をすれば出来るようになりますが、練習をしなければ出来るようにならないという単純な生き物です。
英語も同じで、話す練習をしなければいつまで経っても話すことはできません。実際に英語を使う際は、下記の方法が効果的です。
瞬間英作文とは、瞬時に英文を作ることです。
紙に書く必要はなく、声に出して練習すると、誰かと会話をする場面になった際に、自然と英文が口から出てくるようになります。
日本語などを見てそれを瞬時に英文に直すという方法もありますが、日本語を見ずに、または考えずに、そのまま見たものや思ったことなどで英文を作ってみる方法もあります。
通訳をしたいと考えている人であれば、日本語から英語に、英語から日本語に瞬時に訳す訓練が必要になってきます。しかし、そうではない場合、英語が話せる人の多くは基本的に日本語が頭から消え、英語脳で英語を話しています。
つまり、日本語を考えずに感覚的に覚えた英語の文法で瞬時に英文を作っているのです。
もちろん、最初は日本語を考えずに瞬間的に英文を作ることは難しいと思います。しかし、隙間時間にでもパッパッパッと瞬時に英文を作る練習をしていれば、自ずと身についてきます。
「こう言いたかったけど、どう表現していいかわからなかった」という文章は、日本語で「○○ 英語」というように検索をかけてみると、それに関するたくさんの英語表現の記事が出てくるので、そのいくつかの表現を参考にすると良いでしょう。
英語のプロが学習者の質問に回答する無料のQ&Aサービス「DMM英会話なんてuKnow?」もぜひ活用してみてください。
ちなみにGoogle翻訳などは、正しく翻訳されてないことが多く、実際に使われる英語なのかの判断がしづらいため、あまりおすすめしません。
英語で日記を書いてみるというのも、英語をマスターする上で効果的な方法になります。
日記の場合は、瞬間英作文よりも長く時間をとるため、より正確な表現で書くことができます。
また、今日あった出来事などの自分に関連することを書くため、将来的にそれらの文章や英語表現を使う可能性が高く、効率的に自分にあった表現を学ぶことができるでしょう。
外国人を相手に実際に英語を話す、という点に関して、オンラインレッスンを活用しない手はありません。
とりあえず今の英語力を駆使して英語を話してみる→講師に訂正してもらう、という経験は印象に残りやすいため、定着が早いです。
また、多くのオンラインサービスでは、「英文法」教材が用意されているので、それらを利用しながらレッスン中に座学&実践を同時進行するのもおすすめ。
各社「無料体験レッスン」を受けることができるので、ぜひ試してみてください。
最近では、英語学習用のアプリがたくさん出ています。
このようなアプリは、効率よく英語学習ができる独自のトレーニングプログラムを持っており、英単語の学習、文法の並べ替え問題、スピーキングトレーニングなど、さまざまなトレーニンングができるようになっています。
ゲーム感覚でできるため、ちょっとした隙間時間の英語学習に最適です。
どうでしたか?
一番重要と言いながらも、文法の勉強に力を入れなくて良いというのは、少し驚きでしたよね。
英語学習者の多くがしてしまう研究のような英文法の勉強よりも、私たちが日本語で自然に身につけた「語順感覚」の方がよっぽど重要になります。
その感覚を英語の語順で出来るようになるよう、今回紹介したトレーニング方法を参考にし、実践してみてください。
また、実際に英語を使うアウトプットの練習も同時にすることで英語脳が作られやすくなり、ネイティブと同じように英文を瞬時に作ることができるようになります。
勉強だと思わずに、楽しく英語を学んでいきましょう!