正しく使えてる?英語の関係代名詞「which」の主な用法
昔、塾で高校英語を教えていたとき「関係代名詞が苦手」という生徒さんはたくさんいましたが、「関係代名詞が大好き!」という生徒さんに出会った記憶がありません。
これは関係代名詞の種類に混乱したり、覚える量の多さに挫折したりしてしまう人が多いからではないでしょうか。そして関係代名詞のなかでも in which など関係代名詞に前置詞がつく用法に苦戦している人もたくさん見かけました。
今回は関係代名詞のなかでも特に which にスポットライトを当てて見ていきたいと思います。
前置詞とあわせて使う which についても解説しますので、どれも使いこなせるようになりましょう!
関係代名詞の which
関係代名詞の which は、先行詞が人ではなく物や事、動物の場合に使われると習ったのを覚えている方も多いでしょう。
また関係代名詞には主格、所有格、目的格があり、これらは関係詞節のなかでどのような役割を果たしているかで決まります。
実際の例文を使って which の3つの用法を見てみましょう。
主格
主格の which は関係詞節のなかで主語の働きをします。また which に続く動詞は先行詞の人称や数に一致する必要があります。
Which のすぐ後ろには動詞がきていることから、この which は主語の働きをしているのがわかりますね。また先行詞は a country なので which に続く動詞の accept には3単現のsを付ける必要があります。
所有格
所有格の which は関係詞節のなかで所有格 (my, your, his, her, its, our, their) の働きをし、この場合 which ではなく of which とする必要があります。
通常関係代名詞の所有格は、先行詞が人であっても物や動物であっても、whose を使うのが一般的ですが、先行詞が物や動物である場合に限り of which に置き換えることができます。
上の文は whose を使って言い換えると次のようになります。
I saw an abandoned house whose windows were all shattered.
この whose は所有格 its の働きをしていますね。また、後者の文章の方がより自然でネイティブに近い英語になります!
目的格
目的格の which は関係詞節のなかで目的語の働きをします。また目的格の which は省略することができます。
もとの形を考えると、I bought a dress yesterday. It was a bit small. となり dress が目的語になっているのがわかりますね。
そしてより自然な英語に変えるとすると、この which は省略し、
The dress I bought yesterday was a bit small.
と言うとより口語的になります。一般的な日常会話ではこのように表現されます。
前置詞と一緒に使う which
では次に前置詞+関係代名詞のルールを見ていきましょう。この形は関係代名詞が前置詞の目的語になる場合に使われ、前置詞は関係代名詞の前に置かれるか、関係詞節の終わりに置くこともできます。
もとの文を考えてみると、I went to see a musical. My boyfriend appeared in it (the musical). となり、musical が前置詞 in の目的語になっているのがわかります。この場合は in を関係詞の前に置くことができますね。または、
I went to see a musical (which) my boyfriend appeared in.
のように前置詞 in を関係詞節の最後に置くこともできます。そして which を省略して表現すると、より自然な英語になります。
別の例文も見てみましょう。
もとの文を見てみると、I played in a golf tournament. Players from all around the world competed in it (the golf tournament). となり a golf tournament が前置詞 in の目的語となっていますね。
この場合は、前置詞を関係代名詞 which の前か、または、
I played in a golf tournament (which) players from all around the world competed in.
のように関係詞節の最後に置くことができます。ここでも、which を省略することでより自然な英語になります。
このルールは前置詞 in だけに限らず、他の前置詞でも同じことが言えます。
the restaurant は hang out at the restaurant のように、前置詞 at の目的語となっているので、関係代名詞の前に置くか、または、
That is the restaurant (which) a lot of famous actors hang out at.
のように関係詞節の最後に置くこともできます。
the target は aimed at the target のように、前置詞 at の目的語になっているので、関係代名詞の前に置くか、または、
The target (which) I aimed at was so small I could barely see the bullseye.
のように関係詞節の最後に置くこともできます。
the radio show は listened to the radio show のように、前置詞 to の目的語になっているので、関係代名詞の前に置くか、または、
The radio show (which) I listened to yesterday was all about music.
のように関係詞節の最後に置くこともできます。
the town は hitchhiked to the town のように、前置詞 to の目的語になっているので、関係代名詞の前に置くか、または、
The town (which) I hitchhiked to in Northern Hokkaido was very beautiful.
のように関係詞節の最後に置くこともできます。
まとめ
今日は関係代名詞の which について紹介しました。使い方はなんとなくわかりましたでしょうか?
関係代名詞 which の主なポイント:
- 主格の which は後ろに動詞が続き、先行詞の人称や数と一致させる必要がある。
- 所有格の which は whose とするのが一般的で、先行詞が物や動物の場合のみ of which とすることも可能だが、これは文語的なので口語の場合は whose を使うのが良い。
- 目的格の which は後ろに主語+動詞が続き、口語では which が省略されることがほとんど。
- 関係代名詞 in which は関係代名詞が前置詞の目的語となっている場合に使うことができ、in which とすると文語的、前置詞を関係詞節の最後に置くと口語的になる。会話では前置詞を最後に置き、which を省略するのが自然。
- in which 以外にも at which、to which など他の前置詞も同じルールで文を作れる。
上記のポイントをしっかり理解し、正しく使いこなせるようになりましょう!
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