Hiroe H
(更新)
「子供たちを外で遊ばせる」と言うとき、あなたならどの使役動詞を使いますか?
では「寒いなか、外で遊びたがらない子供たちを外で遊ばせる」と言うときはどうでしょう?
英語の授業で「誰かに〜させる」 と言うとき、使役動詞を使うことを習ったのを覚えている方も多いでしょう。
そして使役動詞にはいくつかの種類があり、正確にどのシチュエーションでどの使役動詞を使えば良いか迷った方も多いのではないでしょうか。
今回はこの使役動詞の種類と用法を詳しく解説したいと思います。ここでもう一度しっかり再確認し、正しく使えるようにしましょう!
冒頭で触れたように、英語の使役動詞は「誰かに〜させる」という意味のときに使うもの。
使役動詞と聞くと、主に思い浮かぶのは make、 let、そして have の3つ。しかしここでは、一歩踏み込んで get と help も含めた5種類を解説していきます。
それぞれの用法とニュアンスの違いをしっかり覚えましょう!
make は誰かの意に反して何かをさせるという、強制の意味があります。また、make の用法は大きく分けて3つあります。
「お母さんは寒いなか、私を外で遊ばせた」
子供は外で遊びたくないのに、その意に反して外で遊ぶようお母さんに強制されたわけです。この場合は使役動詞 make を使い、目的語の後ろに原形不定詞、つまり動詞の原形 go が来ます。
「『to不定詞』はわかるけど、『原形不定詞』ってなに?」という人もいるかもしれませんね。
原形不定詞とは、不定詞の2つの形のうちの1つ。不定詞は主語の人称による変化の影響を受けず、名詞や形容詞、副詞の働きをします。
「彼はみんなの前に立たされ歌わされた」
この文は、彼が歌いたくないという意に反して、みんなの前で歌うよう強制されたことを意味します。
was made のように受動態になっている場合、原形不定詞の代わりにto不定詞が来るので注意しましょう。
「彼のフランス語は通じなかったので、彼は英語に切り替えた」
過去分詞には「〜される」という意味があり、彼は聞き手にどうしても自分のフランス語を理解してもらうことができなかったという意味となります。
この用法はあまり頻繁に使われないので、頭の端っこに入れておくと良いでしょう。
let は、「自由にさせる」という許可の意味があります。また、let の用法は大きく分けて2つあります。
「お母さんは暗くなるまで私を外で遊ばせてくれた」
この子のお母さんは、暗くなるまで自由に外で遊ぶことを許してくれたという意味です。
使役動詞 make との違いは、お母さんは子供に強制しているわけではなく、自由にさせているということです。ここで使われている let は過去形なので、注意しましょう。
「仕事が終わったら一杯飲みに行こう」
「〜しよう」と言うときに使う let’s(let us の省略)も使役動詞です。この場合は勧誘の意味を持ちます。
have は使役の意味で使うときは誰かを納得させて何かをさせるという意味があります。
大きく分けて3つの用法がありますが、同じ用法のなかにもいくつかの意味があり、使い分ける必要があるので注意しましょう。
【使役】
「今朝、上の息子に下の息子を学校まで車で送らせた」
お母さんが上の息子を説得し、下の息子を学校まで送るよう頼んだという意味です。
この文は have を get に置き換えて言うこともできます。
「今朝、上の息子に下の息子を学校まで車で送らせた」
【容認】
「営業部長が月曜日にあなたに電話をするようにさせます」
will の後ろに have + 目的語 + 原形不定詞が来ると「どうしても〜させる」という意味になります。ここでは、「私から営業部長に言って、ちゃんとあなたに電話をさせます」という意味になっています。
そしてこの文も have を get に置き換えて言うことが可能です。
「営業部長が月曜日にあなたに電話をするようにさせます」
これに対し won’t の後ろに have + 目的語 + 原形不定詞が来ると「〜するのを許さない」という意味になります。
「先日髪を切ってもらった」
目的語の後ろが過去分詞になっている場合は「〜してもらう」という意味になります。
この文も have を get に置き換えることが可能で、口語では get を使って言うことの方が多いです。
「先日髪を切ってもらった」
【使役】
「新しい仕事では、以前よりずっと多くの時間を費やすことになります」
have には「〜してもらうようにもっていく」という意味があるため、ここでは「新しい仕事」がこの人を以前より多く働かせるということになります。
【容認】
「子供たちが未成年のうちは飲酒をさせるわけにはいかない」
won’t、can’t、wouldn’t の後ろに have + 目的語 + 現在分詞が来る場合は「〜させるわけにはいかない・許しておかない」という意味になります。
現在分詞を取る用法3は get に置き換えることはできませんのでご注意を。
get は誰かに何かをするように説得する、または何かをするように差し向けるという意味があります。
「今度の週末は、彼に車を運転してもらい映画に行こう」
ジョンに車を運転してもらうように説得するという意味です。
「弟に私の車の修理をやらせた」
こちらは過去形になっていますが、弟に車の修理をするように説得したというニュアンスになっています。
この用法のように説得して自分の代わりに人に何かをさせるという意味の get を使う場合、後ろにはto不定詞が来るのを覚えておきましょう。
help には誰かが何かをするのを助けるという意味があります。
「姉は私の宿題を手伝ってくれた」
主語が人で、この人が直接助けることに関わっているので、この場合は原形不定詞を使います。
「この本を読んであなたの文化をより理解できた」
主語が物の場合、to不定詞が使われるのが一般的で、ここでは book が主語なのでto不定詞を使っています。
今回は使役動詞について詳しく解説しましたが、いかがでしたか?
make、 let、 have の他にも使役動詞として使われる動詞 get と help も紹介しました。
have は同じ用法のなかでも使役と容認の意味を持つもの、get を使って置き換えられるものもあるので、ここでしっかり覚えておきましょう。
原形不定詞、to不定詞など、なにとセットにすれば良いか迷う方も多いかもしれません。
それぞれの使役動詞の意味を確認しながら自分で文を作って練習することで、自然と後ろになにが来るかがわかるようになりますよ!
ぜひ英語の勉強に役立ててみてくださいね。