伝統的なハロウィンの仮装ってどんな感じ?西洋の伝統的コスチュームとその意味を探る!
日本でも近年、ハロウィンは大きなイベントとなってきています。
しかし、日本では「仮装を楽しむイベント」という認識が広まっているようですが、実際にはハロウィンはどのような歴史的背景を持った行事なのでしょうか?
西洋から広まったハロウィンの文化。伝統的な衣装は現代の仮装とはどんな違いがあるのでしょう?
今回はハロウィンの伝統的な仮装衣装や、その歴史について紹介します!
伝統や歴史を知ることで、よりハロウィンのイベントを楽しめるかもしれません。
ハロウィンの起源
ハロウィンの起源は古代の祭り「サムハイン」までさかのぼります。サムハインは、約2000年前の古代ケルト人によって祝われていた祭りで、現在のアイルランド、イギリス、フランス北部に相当する地域が中心でした。
このイベントは、収穫の季節(夏)の終わりと、死と関連付けられていた冬の始まりを祝うもので、毎年10月31日の夜に行われました。ケルト人は、この時期に霊的な壁が最も薄くなり、死者の霊が現世を訪れると信じていたのです。これがハロウィンの起源だと言われています。
ハロウィンの現代的な形は、キリスト教の祭り「万聖節(オールハロウズデイ)」と「万霊節(オールソウルズデイ)」から影響を受けているとも言われています。これらの祭りは死者を追悼し、敬うためのもので、初期の頃は11月1日と2日に行われていました。
これらの祭り自体がケルトのサムハインの影響を受けており、多くの風味や習慣がハロウィンに引き継がれたのです。
たとえば、ジャック・オー・ランタン(カボチャの中をくりぬいて可笑しな顔を作り、中にロウソクを入れたもの)は、死者の霊を驚かせるための象徴でした。また、トリックオアトリート(子供がコスチュームを着て家々を回り、お菓子をもらう習慣)は、霊を鎮めるために食べ物を捧げる習慣が起源だと言われています。
このように、ハロウィンは古代ケルト人の信仰とキリスト教の習慣が融合し、現代の祭りとして発展してきたのです。それぞれの地域や文化によりさまざまな形で祝われ、特にアメリカでは子供から大人まで幅広く楽しまれる大規模なイベントとなっています。
コスチュームの歴史
それでは、ハロウィンの衣装にはどのような歴史があるのか、見ていきましょう。
初期のハロウィンコスチューム
先ほど紹介したサムハインには、「死者の霊が現世を訪れる」という信仰に基づいていました。そのため、人々は死者の霊から身を守るため、動物の皮をまとったり、仮面をつけてその霊を驚かせようとしたと考えられています。これがハロウィンに仮装をする起源とされています。
コスチュームの変遷
19世紀末から20世紀初頭のアメリカでは、家庭で手作りのコスチュームが一般的でした。コスチュームはゴースト、魔女、ガーゴイル*など、伝統的な「怖い」キャラクターや超自然的な存在を象徴するものが多かったようです。
*ガーゴイルとは、雨樋の機能を持つ、怪物などをかたどった彫刻です。
20世紀中頃から、ハロウィンの衣装は商業化が進み、市販の恰好の良いコスチュームが登場しました。テレビや映画の登場により、エンターテインメント文化の影響を受けたコスチューム(スーパーヒーローや映画のキャラクターなど)が増えたのも、この頃です。
現代では、ハロウィンのコスチュームは非常に多様化しています。従来の「怖い」キャラクターから、ポップカルチャーのアイコン、有名人、さらにはインターネットで話題のネタを取り入れるなど、ありとあらゆるものが仮装の対象となっているようです。
この多様なコスチュームに仮装するという伝統は、ハロウィンが一年で最も楽しく自由な祭りの一つであることを示しているのかもしれません。
西洋の伝統的なハロウィンコスチューム
最近では多岐に渡る仮装の種類ですが、伝統的なハロウィンコスチュームはいったいどのようなものだったのでしょう? それぞれの衣装が持つ意味や歴史的背景を見ていきましょう。
魔女
魔女のコスチュームは、最も伝統的なハロウィンコスチュームの一つです! これは、中世の魔女狩り時代に根ざしています。大抵の場合、黒いドレスと黒い帽子、そして魔法の杖(ほうき)が特徴です。
幽霊
幽霊のコスチュームも非常に一般的なハロウィンのコスチュームです。これは、死者の霊がハロウィンの夜に戻ってくるという古代の信仰に由来しています。白いシーツかガーゼを使って、霊的で不可視な存在を象徴します。
吸血鬼
吸血鬼のコスチュームは、19世紀のゴシック小説(特にブラム・ストーカーの「ドラキュラ」)から広まりました。特徴的な牙、黒いケープ、そして血を象徴する赤い色彩が特徴的です。
骸骨
このコスチュームは、「死」そのものを象徴しています。メキシコの「死者の日」の祭りの影響を受けている可能性があります。
パンプキン(カボチャ)
これはハロウィンの象徴的なマスコットである「ジャック・オー・ランタン」を表現するコスチュームです。ハロウィンの夜に道を照らし、邪悪な霊を追い払うという役割があります。
他にもゾンビ、人狼など、多くの伝統的なハロウィンの伝統的なコスチュームが存在します。それぞれのコスチュームは古くから文化的な意味を持っていて、恐怖や希望、夢、死生観を具体的に表しているようですね。
現代のハロウィンコスチュームはどんな感じ?
伝統的なコスチュームを紹介しましたが、それでは現代の仮装文化はどうなっているのでしょう。違いを知っていきましょう!
これまでに紹介してきた伝統的なハロウィンコスチュームは、よく知られた「怖さ」や超自然的な存在を象徴するものが多いです。「恐怖」を直接的に表現し、古代の信仰や伝説を反映しています。
一方、現代のハロウィンコスチュームは、先述の通り多様化しています。ポップカルチャーの影響が大きいようです。特に近年増えているものを紹介します。
映画/テレビ/漫画のキャラクター
特定の年に人気のある映画やテレビシリーズのキャラクター。たとえば、ハリーポッター、ゲーム・オブ・スローンズ、スターウォーズ、マーベルやDCコミックのスーパーヒーローやヴィラン(悪役)など。
セレブリティや有名人
音楽アーティスト、アスリート、政治家など、その年に注目を浴びていた有名人の姿に扮することも近年増えています。
グループまたはカップルコスチューム
友人やパートナーと一緒に、主題に合わせたペアコスチュームが日本では特に人気です! 例えば、映画の登場キャラクターグループ、歴史的なカップル、有名なデュオなどに仮装します。
どの衣装を選ぶかは、個々の好みや自己表現の表れであり、ハロウィンの楽しい部分のひとつですね! ただし、それだけではなく、現代のハロウィンコスチュームが時折、社会的なメッセージを伝える方法としても使われることもあります。
このように、現代のハロウィンコスチュームの進化は、時間と共に我々の値観、関心、社会の変化を映し出しています。今年はいったいどんな仮装が多いのでしょう? 今から楽しみですね。
今年のハロウィンは伝統的なコスチュームで参加しよう!
いかがでしたか? ハロウィンは西洋文化で重要な意味を持つ行事です。
近年日本でも大きなイベントの一つとなってきている、ハロウィン。しかし、ハロウィンの歴史や伝統を知っている人はあまりいないかもしれません。
今年は伝統的なコスチュームで参加してみてはどうでしょうか?
異文化へのリスペクトを忘れずに、楽しくイベントに参加しましょう!
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