masa osada
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英語を勉強していると「どちちを使ったら良いんだろう」と迷う単語に出会ったことはありませんか?
例えば “some”と “any”、“something” と “anything” など辞書で調べても同じような意味が書いてありますね。そのため、日本人が英語を話したり書いたりするときに “some” と “any” を使い間違える場合がよくあります。
そこで今回は、“some” と “any”、“something” や “anything” の使い分けのポイントを紹介します。
「いくつか」「何か」の意味で使われる “any” と “some”、「何か(もの)」の意味の “something” と “anything”。子どものころ、それぞれの使い分けをこのように教わりませんでしたか?
「some や something は肯定文で、any や anythingは疑問文や否定文で使う」
わかりやすい例を出してみましょう。
ところが、日常会話や海外ドラマを見ていると、必ずしもそのパターンに当てはまらない文章に出会うことがあります。なぜかというと、本当は “some”、そして “something” は肯定文だけでなく、疑問文でも使われることがあるからです。
例えば友だちの家で飲み会をしていて、もう少しビールを飲みたいなと思ったときに「ビールをもう少し冷蔵庫から出していい?」と英語で聞きたい場合。
ほら、疑問文なのに “some” を使いましたね。ここで “Can I take any more beer?” を使うことはありません。
疑問文では “any” や “anything” だと習ったのに、今さらそんなこと言われても困る! という方、安心してください。どちらを使えばいいのか見分ける方法があるんです。
前章で登場した疑問文で使われる “some” と “something”、“any” と “anything”。
“some” や “something” は、何か具体的に、もしくは漠然とイメージするものがある場合に使われます。また、相手が “yes” と答えてくれることを前提にした質問をするときにも使われます。
ところが “any” や “anything” の場合、特にイメージがないときや、“yes” と答えてくれる確信を持てないとき、さらに「何でもいい」ときなどに使われます。
この説明だけでは少しわかりにくいかもしれないので、上で紹介した疑問系の例文2つに当てはめて見てみましょう。
まず1つ目の例文です。
このフレーズはよく海外旅行に行くと入国審査のときに聞かれる質問です。
問いかけた側は相手が申告するものを持っているかわかりません。つまり “yes” と答えるか “no” と答えるかわかりません。そのためここでは “something” ではなく “anything” が使われます。
ところが2つ目の例文はどうでしょう。
質問をした人は冷蔵庫の中にビールが入っているのを知りながら、「もっと持ってきていい?」と聞いているわけです。そのため、使われるのはもちろん “some” 。
理解を深めるためにいくつか例文を用意しました。
1つ目の「水をもらえますか?」は聞く人が明らかに「水」をイメージしているのと、相手が “no” と答えない質問なので “some” を使います。
そして2つ目は、レストランで食べ物を注文した際「飲み物は注文しますか?」という意味でよく聞かれます。この場合、聞かれた相手が “no” という可能性もありますが、レストランやバーなどは飲食の場であり、“yes” と答えることが前提となるため “something” が使われます。
これら4つの例文に共通するのは、相手が “yes” と答えるか “no” と答えるかわからないこと。そのためどれも “any” や “anything” を使います。
これが一番わかりにくいかもしれません。どちらを使うかは質問の意図によって決まります。
① Do you have some/any juice?
「何かジュースはありませんか?」
② Do you have some/any plans for this weekend?
「週末何か予定はありますか?」
③ Would you give me something/anything hot?
「何か温かいものをもらえませんか?」
質問者が自宅や何度か訪れたことがある家で、いつも冷蔵庫にジュースがあるのを知っている場合は “some” が使われます。なぜかというといつもジュースがあることをイメージしながら「今、ジュースはある?」と聞いているからです。
対し、“Do you have any juice?” は、初めて訪れた家やパーティー会場などでお酒以外でジュースを飲みたいと思ったときに「何でもいいからジュースありますか?」というニュアンスで使われます。
まず、誰かをデートに誘いたいとき、遊びに誘いたいとき。相手に予定入っているかわからないので “any” を使います。
ところがこんなシチュエーションの場合は “some” が使われます。
この場合、すでに「土曜日は行けません」と断られていることから、相手が “yes, I have a plan〜” と答えることを前提に質問しているので “some” が使われています。
真冬に外から帰ってきたとき、家族に「何か温かいものをちょうだい」と頼んで断られることはないでしょうし、コーヒーやお茶など温かい飲み物が家にあることをある程度イメージできています。そんな時は “something” が使われます。
一方 “anything” は「湯たんぽでも、ストーブでも、温かい飲み物でも何でもいいからとにかく温かいものが欲しいとき」に使います。
“some” と “any”、“something” と “anything” の使い分けは理解できましたか?
英語で話すたびに「この場合は any か?それとも some かな……」と悩むのも大変です。まずは、基本は「some は肯定文」「any は疑問文と否定文」ということを忘れないようにしましょう。
あとの細かい “some” と “something”、“any” と “anything” の使い分けは、ネイティブの人と話をするときや、新聞など英文を読むときにどちらを使っているか意識的に注意するようにしましょう。すると、そのうち「こっちは “any” が自然な響きだ」と体で覚えることができますよ。