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「そのような」だけじゃない!“such” の意外な意味と使い方を徹底解説

「そのような」だけじゃない!“such” の意外な意味と使い方を徹底解説

英文に“such”という単語が出てきたらどのように訳しますか。「そのような」と訳すパターンが多いでしょうが、実際には “such as” や “such that” のように「そのような」と訳せないパターンが多くあります。今回はそんな掴みどころのない “such” について詳しく解説していきます。

【asの使い方はこちら】
→「~として」だけじゃない!“as”の使い方を徹底解説(公開後リンク貼る)

“such”のコアイメージ

「そのような」と名詞を修飾する形容詞としての働きがメインです。それがどのようなものかに関する情報は、先行する文章や、後続の “as” や“ that” 以下に説明されます。つまり、文章中に“such”(そのような)がある場合、それが「どのような」ものかを把握することが重要になります。

  • A:I want to master English in a year.
    「一年で英語をマスターしたい」
  • B:You can't master English in such a short time.
    「そんな短い時間で英語はマスターできないよ」

この “such” は相手の「一年」という言葉を受けたものです。
このように「そのような」という言葉があるならば必ず「どのような」ものかの記述が存在しているんです。これを意識して以下を読み進めてみましょう。

名詞を修飾する “such”

「such+名詞」

名詞の前に置かれ、「そのような◯◯」と前述の内容を繰り返すときに使用します。

  •  A:Do you know anyone who keeps snakes as pets?
    「たくさんのヘビを飼っている人を知りませんか」
  • B:I don’t know such a person.
    「そんな人は知りません」

注意:通常の形容詞とは異なり、“such” を置く位置は単数形の可算名詞の場合では「such a(n)+名詞」となります。他の形容詞を伴う場合は、“I don’t know such a strange person.”(そんな変な人は知りません)と「such a(n)+形容詞+名詞」となります。

 「such+名詞+as+名詞」

「such A as B」=(BのようなA)と、“such” の説明を “as” 以下が受け持っている文章です。後述する“such as”と似ているのでその違いに注意しましょう。

  •  Such students as John are rare.
    「ジョンのような生徒は珍しい」

 「such that+文」

“that” 以下の文が “such” がどのようなものであるかを説明しています。

  • The cost of living in the city is so low such that we could travel luxuriously with our minimal budget.
    「この町の物価は安いので、限られた予算でも贅沢に旅行することができる」

強調表現としての“such”

“such”は「とても」「すごく」と強調表現としても用いられます。

 「such+形容詞+名詞」

  • This is such a beautiful flower.
    「これはとても美しい花だ」

後ろにくる “beautiful” を強調しています。しかし強調といえば “very” や “so” もあります。これらの違いは何でしょうか。

“so” について、“so” の後には「形容詞」しか置くことができず、上の文のように「形容詞」+「名詞」を修飾することはできません。
そのため “so” を使うと上記の文章は、

  • This flower is so beautiful.

となります。
“very” は「形容詞」+「名詞」を修飾できるので置き換えることができます。

「such+名詞」

名詞を強調することができます。この用法は “very” や “so” にはありません。

  • He is such a coward.
    「彼はすごく弱虫だ」

 「such~that」

so~that構文と同じような意味で使うことができます。

  • It was such a nice weather today so I decided to leave work early for a picnic in the park.
    「今日はとてもいい天気だったので、仕事を早めに終わらせて公園へピクニックに出かけた」

so~that構文で言い換えると以下になります。

  • The weather was so nice that I went on a picnic.

※前述のように “so” は形容詞のみを修飾するため、“It was a so nice weather~”とはできません。

“as” を用いたイディオム

such as

「例えば」「等」など具体的な例を挙げるための表現です。

  • She likes vegetables, such as onions, carrots and cabbage.
    「彼女はタマネギ、ニンジン、キャベツ等の野菜が好きです」

「例えば」といえば “for example” が頭に浮かびますが、“such as” との違いは何でしょうか。
“for example” は語句だけでなく後ろに文を置くことができます。

語句を置く場合
She likes vegetable, for example, onions, carrots and cabbage.
「彼女は野菜、例えば、タマネギ、ニンジン、キャベツが好きです」

文を置く場合
She likes vegetable, for example, she likes onions, carrots and cabbage.
「彼女は野菜が好きで、例えば、タマネギ、ニンジン、キャベツが好きです」

文を置く用法は “such as” にはありません。逆に「例えば?」と問いたいときには “for example” は使えず、“such as” を使います。

  •  A:I like vegetables.
    「野菜が好きです」
  • B:Such as?
    「例えば?」

 as such

「そのようなものとして」「それ自体では」という意味があります。例文を読んでニュアンスをつかんでみましょう。

  • He is a VIP and must be treated as such.
    「彼は要人なのでそのように扱われなければならない」(VIP=very important person)
  • Money, as such, does not always make us happy.
    「お金それ自体は必ずしも私たちを幸せにするわけではない」

また、文頭に用いることで「したがって」「そうであるから」という表現になります。

  • The population in rural Japan is decreasing rapidly in recent years, together with the decline of primary industries such as agriculture. As such, the government is desperately trying to realize regional revitalization through several policies.
    「日本の地方は近年、人口が減り、農業などの一次産業が衰退しています。したがって、日本政府は各方面において地方創生の政策を急いで実施しています」

 such and such

「これこれの」「何々の」と明示もしくは明言したくないものを指す表現です。

  • She told me she had met such and such a person on such and such a street.
    「彼女はどこそこの通りでこれこれこういう人に会ったと言った」

“such”の用法の復習

解説した用法の例文をいくつか挙げるので、どの用法かを復習しながら考えてみてください。

  •  1.He finished his work in such a short period of time.
  • 2.She said she had such fan.
  • 3.Fame, as such, means nothing.
  • 4.I have been to a lot of countries, such as France, Germany, and Spain.
  • 5.He is such a nice guy that everyone likes him.

 解説

  • 1.He finished his work in such a short period of time.
    「彼はとても短い時間で仕事を終えた」

「such+形容詞+名詞」で「そんなにも」「とても」と形容詞を強調しています。

  •  2.She said she had such fun.
    「彼女はすごく楽しかったと言った」

「such+名詞」の用法で、名詞 “fun” を強調しています。

  •  3.Fame, as such, means nothing.
    「名声それ自体に意味はない」

“as such” というイディオムで「それ自体には」という意味があります。

  •  4.I have been to a lot of countries, such as France, Germany, and Spain.
    「私はフランス、ドイツ、スペイン等たくさんの国に行ったことがある」

“such as” というイディオムで、例を挙げるときに使用します。

  • 5.He is such a nice guy that everyone likes him.
    「彼はとてもいいやつなのでみんな彼が好きだ」

so~that構文と同じように使われる「such~that」です。ただし、“so” は形容詞のみを修飾するため、so~that構文で言い換えると“He is so nice that everyone likes him.”となります。

おわりに

ごらんのように “such” は “as” と組み合わせて使われることが多いです。そのため “as” も併せて学習すると “such” をより深く理解することができます。“such” と “as” を上手く使いこなせば英語レベルをぐんと引き上げることができますよ。