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コロンブス・デーか先住民の日か?アメリカの祝日をめぐる論争

コロンブス・デーか先住民の日か?アメリカの祝日をめぐる論争

「In 1492, Columbus sailed the ocean blue.(1492年、コロンブスは青い海を渡った)」

アメリカの多くの子どもたちは、クリストファー・コロンブスと彼の功績を覚えるために、この短い詩を学校で習います。1492年は、彼がアメリカ大陸を「発見」したとされる年で、多くの国で彼を称える「コロンブス・デー」が10月初めに祝われています。

しかし、同じ時期にもう一つの祝日が存在するのをご存知でしょうか?

それは、コロンブス・デーに対する反応として生まれた「Indigenous Peoples' Day(先住民の日)」です。この2つの祝日は、歴史的背景が異なり、アメリカの文化や価値観の変化を反映しています。

言語は文化と密接に結びついているので、今回はこの2つの祝日の背景と、関連する英単語について一緒に見ていきましょう!

クリストファー・コロンブスとは?

コロンブスは、15世紀にスペインの王と女王の支援を受けてアメリカ大陸に航海したイタリアの探検家です。

しかし、彼は最初からアメリカを目指していたわけではありませんでした。実は、コロンブスの目的は、西ヨーロッパから中国やインド近くの島々に船で早くたどり着くルートを見つけることでした。彼は、その地域でしか手に入らない香辛料や貴重品を手に入れ、交易をすることを夢見ていたのです。

しかし、コロンブスがアジアにたどり着くことはありませんでした。彼の船団が到達したのはカリブ海(現代でいうバハマ、ドミニカ共和国、ハイチ、キューバ)でした。

それにもかかわらず、コロンブスは自分がアジアにいると信じていたため、現地の人々を「インディアン」と呼びました。このため、今でも先住民が「アメリカン・インディアン」と呼ばれることがあります。

コロンブスや他のヨーロッパ人にとって、これらの新たな土地は「New World(新世界)」と呼ばれました。彼の航海は「Age of Discovery(大航海時代)」と呼ばれる時代の幕開けとなり、ヨーロッパの探検家たちが世界中の多くの地域へ進出し、支配を始めたのです。

コロンブス・デーはどのように祝われている?

アメリカでは、10月の第2月曜日が「コロンブス・デー」として知られています。これは連邦の祝日で、一部の企業や学校、政府機関が休業となります。正式には、コロンブスがアメリカ大陸に到達し、「新世界」を発見したことを祝う日です。

では、コロンブス・デーには何をするのでしょうか?

クリスマスやハロウィン、感謝祭のように、すべての祝日が食べ物や飾りつけを伴う大きなイベントというわけではありません。

コロンブス・デーやプレジデンツ・デー、レイバー・デーといったアメリカ特有の祝日は、特別な式典を行うグループもいます。しかし、たいていは仕事や学校から解放され、リラックスして過ごす日として認識されています。

Indigenous Peoples’ Day(先住民の日)とは?

「Indigenous(インディジナス)」という言葉は、その土地に最初に住んでいた人々を指す形容詞です。したがって、「Indigenous Peoples' Day(先住民の日)」は、アメリカの先住民を称え、彼らの文化を祝う日です。

コロンブスや他の探検家たちがアメリカに到着したことは、すでにその地に住んでいた人々にとって非常に大きな悪影響をもたらしました。多くの先住民が殺され、ヨーロッパ人の奴隷として働かされました。また、ヨーロッパから持ち込まれた病気が広がり、多くの先住民が命を失いました。

こうした歴史から、コロンブスを祝日として称えることに反対する声が多く挙がっています。さらに、コロンブスが「新しい世界を発見した」とされることに疑問を持つ人もいます。なぜなら、すでに先住民がその地に住んでいたからです

そのため、10月の第2月曜日に、コロンブス・デーと同じ日に、先住民の文化を称え、アメリカの本当の歴史を伝えるために「先住民の日」が祝われるようになりました。

先住民の日はどのように祝われている?

コロンブス・デーと同様に、先住民の日には特定の決まった祝い方があるわけではありません。しかし、この日を利用して、多くの人々が国の歴史に思いを馳せたり、アメリカ先住民について学び、過去に何が起きたのかを振り返る機会としているようです。

祝日関連の英語表現

Reflect|振り返る、反省する

過去に起こったことについて深く考えること。

After losing the big game, the coach advised the team to reflect on what they did right and what they can improve.
「大一番に敗れた後、監督はチームに自分たちの何が正しく、何を改善すべきかを反省するようアドバイスした」

Discrimination|差別

人種、性別、宗教的信条などを理由に、他者から不当な扱いを受けること。

Every year, thousands of people leave their home countries in order to escape violence or discrimination.
「毎年、何千人もの人々が暴力や差別から逃れるために母国を離れている」

Whitewash|白塗り

「白く洗う」と直訳できますが、これは不愉快な事実を隠したり、より良く見せるために変更されることを意味する言葉です。さらに、白人の功績が他の人種の功績よりも重要であるように見せることを指す場合もあります。

Supporters of Indigenous Peoples' Day say that Columbus Day whitewashes the violence he committed against Native Americans.
「先住民の日の支持者は、コロンブスの日は、彼がアメリカ先住民に対して行った暴力を白塗りにしていると言う」

Colonization|植民地化

ある国が他の国を占領し、支配すること。

In recent years, many European countries have been removing statues and monuments that celebrate their colonization of other nations.
「近年、多くのヨーロッパ諸国は、他国を植民地化したことを称える像や記念碑を撤去している」

Recognize|認識する、承認する

Recognize は基本的に「認識する」や「見分ける」というシンプルな意味合いで使われる言葉です。

I couldn't recognize Beth after she changed her hairstyle.
「ベスがヘアスタイルを変えてから、私はベスを見分けられなくなった」

しかし、recognize には別の意味もあります。「何かの存在、質、合法性を認める」という意味もあり、これは政治や法律でよく使われます。

In 2021, President Joe Biden became the first US president to officially recognize Indigenous Peoples' Day.
「2021年、ジョー・バイデン大統領は、先住民の日を公式に承認した最初のアメリカ大統領となった」

Adopt|養子にする、採用する

Adopt の基本的な意味は、子供やペットの保護者になることです。

We adopted our dog Charlie from the local animal shelter.
「私たちは地元の動物保護施設から愛犬チャーリーを養子に迎えました」

しかし、他にも「何かを受け入れる、利用する、従うことを選択する」という意味もあります。この意味は、法律や規則、特別な日に適用されることが多いです。

Memorial Day, a day for honoring US soldiers who have died serving the country, was first adopted in 1868.
メモリアルデーは、国のために亡くなった米軍兵士を称える日で、1868年に初めて採用された」

アメリカの祝日は意外と歴史深い

毎年祝われている祝日の歴史を調べてみると、驚くことがたくさんあります。

祝日に関する情報を深く掘り下げてみると、その祝日を祝う文化への新たな理解が得られるかもしれません。

この記事が興味深いと感じた方は、アメリカの最新の連邦祝日「Juneteenth(ジュンティーンス)」に関する記事もぜひチェックしてみてくださいね!

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