濱名 栄作
(更新)
国内英語資格の最高峰の一つである英検1級。英語学習者なら誰もが一度は憧れる称号である一方、その合格率は約10%とも言われており、英語上級者でさえ取得に苦戦する。
さて、今回インタビューをしたのは、そんな難易度高い英検1級に、3ヶ月という短い準備期間で一発合格をした関部然せきべぜんさん。悔しい英語体験をきっかけに英語学習を開始し、その後、いち DMM 英会話ユーザーから勤務先に法人導入を自ら提案、現在は「法人プラン」ユーザーとして DMM 英会話を利用されています。
「1年以上続けてきた DMM英会話の集大成を形として残したかった」と話してくれた関部さんに、英検1級合格への道のりやオンラインレッスンの活かし方を聞くことができました。
英検1級受験を考えている方はもちろん、全ての英語学習者の参考になる内容となっています!
ー よろしくお願いします。
まずは簡単な自己紹介をお願いします。
名前は関部然せきべぜんと申します。
職歴としては、最初に NTT 東日本に入社し、IT ネットワークの設計や構築、データ分析、インターネットセキュリティ関連の仕事をしていました。そして今年の4月からは、同じグループ内なのですが NTT コミュニケーションズに移籍しまして、そこでは海底ケーブルの導入や運用をしています。
ー 現在のお仕事で英語を使いますか?
海底ケーブルは国際的なプロジェクトで海外とのやりとりが必要なため、メールや電話会議、ドキュメント関連は基本的に英語で行います。
また、まだ移籍して1ヶ月なので海外出張はありませんが、今後は携わるプロジェクトによって年数回の海外出張があると思います。
ー 英語学習はいつ頃から始められたのですか?
本格的にやり出したのは2年前(2016年)の11月です。当時、TOEIC こそ850点ありましたが、点数が高いだけで会話は全くダメでした。
海外出張先でタクシーを電話予約するだけでも苦労しましたし、簡単な英語でさえ口から出ないことに唖然としましたね。そして、こんな簡単なこともできない自分が許せなくて、帰国後にいろいろ悩み決心しDMM英会話を始めました。
ー 現在、DMM英会話の「法人プラン」をご利用されていますが、それ以前からオンライン英会話サービスを利用されていましたか?
会社に DMM英会話が法人導入される前に、個人的にいくつか他社サービスも試して比較してみました。その中で、サービス自体の印象が一番よかったのが DMM でしたし、英会話に意欲的な社員が周りにも何人かいたので、私自らが会社に法人プランの導入を提案してみたんです。
ー ではご自身で試されて、DMM英会話の効果を実感したから導入の提案をしたと。
そうですね。自分で1ヶ月間毎日やってみたところ、少しずつ言いたいことが英語で言えるようになっている実感があり、やっぱり毎日やると効果があるなと思ったので、じゃあ会社のみんなで一緒にやろうかという話になったんです。
実は大学時代、駅前の英会話スクールに半年ほど通っていたのですが、週1回のレッスンだと効果を感じられなくて。週1だとどうしても忘れてしまうし、口がついていかないんですよね。
ー やはり毎日やると違いますよね。
社内でどれくらいの方が使っていらっしゃいますか? また導入後の成果等も教えていただければ。
最初は10人くらい、今年から他部署にも展開していて今は15人ほどです。始める時に自分達に対してノルマを課していて、*出席率7割以上と年2回の TOEIC 受験、それから年2回の部長・幹部への報告を行っています。
成果としましては、導入後の1年を通してみんなの TOEIC スコアが平均で150点くらい伸びました。そのように結構な効果があったので、幹部の方から私の担当外にも展開してはどうかという話があり、今は徐々に拡大していっています。
* 1ヶ月間のレッスン受講回数が21日以上(30日×70%)。
ー DMM 英会話のレッスンはどれくらいの頻度で受講されていますか?
法人プランを利用できるようになってからは、毎日3レッスンを休まずに1年3ヶ月くらい続けていました。
今は仕事が変わったのでペースを落として、毎日1レッスンずつ受けています。
ー 現在のお仕事の中で、DMM英会話を利用していてよかったなと思うタイミングはありますか?
まさに今は新しい会社に来て日常的に英語を使っているところでして、英語でのカンファレンスコールや英語のビシネスメールも抵抗なくこなせているので、そういった意味では効果をすごい感じています。
しかし実際の現場では、みんな文法も発音もめちゃくちゃな英語を使うので、それに慣れるのが大変ですね。
ー DMM英会話の講師陣も非常に多国籍ですが、発音やアクセントはどうでしょうか?
これまで色々な国の先生のレッスンを受けてきましたが、変なアクセントやクセを感じたことはありません。やはりその辺りは、採用の段階でシビアに選定されているのかなと思っています。
DMM英会話の先生は全体的に学歴が高く、議論の際も突っ込んだ質問をしてくれたりだとか、教養レベルが高いと感じています。このことは、レッスンで英検1級の面接練習をしたときにも非常に助かりました。
ー ではこの流れで英検についてお聞きしたいのですが、英検1級の受験時期や挑戦のきっかけを教えてください。
去年(2017年)の10月に TOEIC を受けて、目標であった950点を超える965点を取ることができました。そして次は、4技能を測れる試験を受けて、「1年以上続けてきた DMM 英会話の集大成として何か形に残したかった」というのがそもそもの受験のきっかけですね。
11月から英検対策を開始し、今年(2018年)の1月の試験で1級に一発合格することができました。
ー 一発合格は本当にすごいです!
初めて1級の問題を見たとき、難易度はどう感じましたか?
語彙問題は全然分からなかったですね。でも長文問題はそこまで分からなくはない、リスニングも勉強すればなんとか届くかな、というのが最初の感想でした。
ー 3ヶ月間、どのような学習をされたのですか?
過去問や合格者の声を見てもボキャブラリーが重要だと思ったので、最初の1ヶ月はとにかく単語の暗記。その後、過去問を中心に対策しながら、英作文を重点的に勉強しました。
というのも、1次の筆記試験はリーディング、リスニング、英作文で配点が1/3ずつで、英作文は型をマスターしてネタがあると高得点を取りやすいんですよね。リーディングとリスニングで多少コケても、英作文である程度カバーすることができるので英作文に力を入れました。
ー なるほど。
課題であった語彙はどのように対策されたのですか?
英検対策を始める前から、DMM 英会話の「デイリーニュース」に出てくる知らない単語は*¹「iKnow!」に登録して全て覚えるようにしていたのですが、1級の語彙レベルはかなり高く、1級用の単語帳である*²『パス単』をやったときも、全体の3割〜4割くらいの単語しか分かりませんでした。
なので、1ヶ月目は『パス単』を使ってみっちり単語。他は何もやりませんでした。
*¹ 脳の記憶メカニズムに沿って、記憶が定着するベストなタイミングで問題を出してくれる英単語学習アプリ。DMM 英会話の有料会員であれば、無料で利用可能。
*² 『英検1級でる順パス単』(旺文社英検書)
ー 英検1級レベルの語彙には相当マニアックな単語も含まれていますが、そういったものはどのようにして覚えましたか?
このように単語の要素を分解して、最初は良いイメージ・悪いイメージのようにざっくりとイメージで捉えて、そこから徐々に意味を覚えていきました。手がかりをちょっとずつ見つけていく感じですね。
あとは、ダジャレを使って覚えたり、Google で単語を画像検索したりして、目や手を使って覚えましたね。他にも、覚えれない単語を英作文に無理やり組み込んで覚える努力をしたりとか。1級レベルの単語を英作で使うと高得点という噂もあるので、できるだけ使うようにしていました。
ー 色々な工夫をされていたんですね。
つづいて、DMM 英会話を使った英作文対策について教えてください。
レッスンが始まる前にあらかじめ模擬試験や過去問の英作文を準備しておいて、レッスン内でそれを先生に共有し添削してもらうようにしていました。パラグラフ一つずつ、単語一語ずつを丁寧に見てもらうと、1レッスンでは時間が足りないので、2レッスンを使って一題の英作文を進めていく感じですね。
これを繰り返していくと、回数を重ねていくうちに英作文の型ができでいき、洗練された言い回しのパターンも増えていきます。英作文は短期間で一番点数を伸ばせるセクションだと思いますね。短期決戦なら長文やリスニングよりも、英作文に集中するのがいいと思います。私はこのやり方で、試験までに34回分の英作文を練習しました。
ー 2次試験の面接対策はどうでしょう?
模擬 DVD をお気に入りの先生に見せて、面接の流れや概要を説明しました。そして過去問を使って、実際に模擬面接をしてもらっていましたね。1ヶ月間、毎日3レッスンを使って平均5回の模擬面接をやっていました。
先生はとても協力的で、本番より難しめの鋭い質問をしてくれるのでいいトレーニングになりましたね。3レッスンを受け終わると、毎日本当にヘトヘトでした…。
ー 英検を受験されるまでの期間は、かなりハードに学習されたのでは?
そうですね。直前の3ヶ月を含め、英検までの1年間はあるだけの時間を勉強に費やしていたと思います。
ー すごいですね!
そこのモチベーションってどのように維持されていたのですか?
基本的に凝り性なので、最後までやり切る性格なんですよね。あとは、英語をやり始めた頃の自分が感じていた“英語ができない悔しさ”が一生付きまとうのが本当に嫌で、そんな自分とおさらばしたかったんです。
ー 仕事で疲れて「もういいや」となることはなかったですか?(笑)
大丈夫です(笑)。
「ここで休んだらまた昔の自分に戻る」と言い聞かせていました(笑)。
ー それでは今後の英語の目標を教えてください。
前半でも少しお話しましたが、今の職場で使われている英語は必ずしも正しい文法やきれいな発音で話されてはいないので、慣れるのに苦労しています。
なので、今後はそうした“リアル”な英語にも慣れて、今まで勉強してきた英語を、仕事の現場でも100%に近い形で発揮できるように頑張っていきたいと思います。
ー 最後に、英語学習者の方たちに向けてメッセージをお願いします。
僕がこれまで学習を続けてきて感じたのは、英語の上達は時間と強い相関関係があるということです。単純に比例しているわけではないですが、あるポイントに達するとブレイクスルーを感じることができます。僕の場合は、それを年に数回感じることができました。
でもそのブレイクスルーが訪れるまでは、毎日やっていても大して変わらないし、「今日も思ったように話せない…」って自分がいやになってくるんですよね。ですが、諦めずに続けるといつか、少しずつですけど、必ず上達していきます! 頑張ってください!
ー ありがとうございました。
1年以上もの間、文字通り「一心不乱」に英語学習に打ち込んだ関部さん。その強い気持ちを裏で支えていたのは、忘れられない不甲斐ない経験でした。
「海外旅行で英語が話せなくて楽しめなかった」
「外国人に道を聞かれてうまく答えられなかった」
多くの英語学習者が学習を始めたきっかけは、そういった原体験にあるのではないでしょうか。学習を進めていく上で、もし挫けそうになったら、もし諦めそうになったら、自分の原体験を思い出してみてください。