日本語の「冴え渡る」にはいくつか意味がありますが、clearは「空気が澄んでいて透明である」「頭の働きが明晰である」の両方の意味で使うことができ、語感が近いと言えるでしょう。
He saw the clear autumn sky through the window.
彼は窓越しに冴え渡る秋空を見た
He has a clear head.
彼は頭が冴えている
「技が冴え渡る」と言う場合には、skillfulが使えますね。
skillful handling of a kitchen knife
冴え渡る包丁さばき
特に多義語に関しては日英で1対1対応している場合は少ないですが、共通の「語感」を掴もうとする姿勢は大切です。
Moonlight so bright that I can see everything as clear as by daylight.
Her clear voice that echoed through
a sharp and clear mind
英語の場合「月が冴え渡る」のと、「頭が冴え渡る」と「手さばきが冴え渡る」のを同じ表現で表すことはしません。それぞれの意味するところを表現するのによりわかりやすい言い方があるからです。
「冴え渡る月の光」のように
『 光や音などが一面に澄みきる。隅々まで澄みとおる。』の光について言う場合には、
bright とclear を組み合わせて使います。
Moonlight so bright that I can see everything as clear as by daylight.
(昼間のようにすべてがくっきり見える月光=冴え渡る月光)
音について言う場合は、
echo(響き渡ると言う意味で使う)と clear を組み合わせて使います。
Her clear voice that echoed through(響き渡る彼女の澄んだ声=彼女の冴え渡った声)
「頭が冴え渡る」の
『 頭の働きやからだの調子などがひときわはっきりする。』の場合は
sharp mind、(身体の場合はbrisk movementなど)を使います。
a sharp and clear mind(明瞭ではっきりした頭=冴え渡る頭)
『 腕まえや手際などがひときわ鮮やかである。』の場合は
skillやskillful が良いでしょう。
His strikingly skillful cooking technique.(驚くほど巧みな調理技術=冴え渡る包丁の技)
日本語と英語では同じような表現がある場合もありますし、ない場合もあります。自分が言おうとしていることを一旦分解して、知っている単語を組み合わせてみたほうが通じることが多いです。