華やかな表側にばかり気を取られずに、裏方の重要さに思いを馳せなさいというのは欧米文化でもよく言われることです。ただ「黒子に徹する」には、表に出ようとしないから偉いというニュアンスがありますよね。そこは少し違うような気もします。表に出たがらない人は裏方というより裏で操る黒幕っぽいイメージもあるので、ここも注意すべき点かもしれません。
ここでは黒幕イメージがないものを集めてみました。
be a backroom boy(裏方にまわる)
backroomは元々は大広間の奥の秘密の小部屋で密談などをする場所のことだったのですが、第2次世界大戦中に「秘密軍事研究室」や「秘密指令室」を指すようになりました。boyはボーイや少年のことではなくて兵士のことです。前線で戦ってはいないけど、秘密作戦を支えたり、新兵器を開発したりすることで戦いを勝利に導く技術者や後方支援の人たちも、立派な戦士なのだということで、裏方に徹する=be a backroom boy と使うようになりました。これはやっぱり戦争に負けなかった国の表現かもしれません。
I was one of these people behind the scene(私は裏方の一人だった)
behind the scene は舞台裏という意味で、こちらのほうが普通によく使う言葉かもしれません。
play support (脇役を務める)
主役ではなくて脇役だけど、脇役も同じくらい重要だよねという前提で使います。
こう書いてきて、やっぱり文脈によっては、陰の実力者みたいな印象をあたえることもあるなあと思ってしまっています。このフレーズを使えば思っている通りに伝わるはずと安心せずにくどくど説明するのが、異文化コミュニケーションの心得かもしれません。