神社では信心の稽古をして実社会で実践、雅楽では神様に捧げる稽古をして祭典で奏楽をします。
この稽古はただの練習という意味ではなく、神さまに心を向けて心を込めて稽古をします。
practice という単語を使うと、どうしても軽く感じてしまいます。
勿論、私はpracticeという単語の深い意味も知らないのですが、何かピッタリトはまる言葉はないでしょうか。
「稽古」というのを英語で言うと、
「practice」は最も相応しい言葉だと思います。
神さまに心を向けて稽古するのは真面目なことなので、
軽い感じを避けるために「devotional practice」(忠実なpractice)と言ったら、
自然に伝わります。
参考になればいいと思いますので、
以下、この単語をより詳しく検討します。
確かに「practice」の一つの意味は日本語の「練習」と同じく、
学問・芸術などを、くり返して習うことという意味をします。
「training」という言葉は「practice」の同意語としてよく使われていますが、実は違います。
「training」とは新しいスキルを身につけるプロセスであり、
「practice」とはくり返しによってあるスキルを磨くということです。
つまり、Trainingは習得することで、そのさきの鍛錬がPracticeとのことです。
宗教的な場合、例えば修道士だと、
「spiritual training」(精神的な養成)という言葉もよく使われます。
修道士の道に入って間もない人は、まず「spiritual training」(精神的な養成)を行い、その後、日々の実践「practice」を行います。
一方で、「practice」は「実践」という意味で使われることもあります。
提議として「あることに関連する理論とは対照的なアイディアや信念、または方法の実際に適用(使用)すること」とされています。
例文:
The principles and practice of teaching.
教育の原則と実践。
「praxis」という概念は「実践」に似ていますが、
「理論やレッスンまたはスキルを制定や具現化、または実現するプロセス」という提議があり、簡潔に言えば「理論に基づいた行動」という意味です。
「practice」より理論の具現化を強調し、哲学でよく使われる言葉です。
例文:
According to Arendt, our capacity to analyze ideas, wrestle with them, and engage in active praxis is what makes us uniquely human.
ハナ・アーレント氏によると、アイディアを分析し、それと格闘し、積極的に実践する能力というのが、我々を人間にしているものです。
参考になれば幸いです。