とても英語らしい表現を1つ挙げて見ました。
You don't want to go there. 「それは言わないほうがいいよ」
どうしてこんな意味になるんでしょう? 以下の2点を見ていただければと思います。
1. You don't want to 〜「〜しないほうがいい」
★ まずは基本的なことを知りましょう
もちろん直訳は「あなたは〜したくない」です。しかし「〜しないほうがいい」の意味で使う場合は「(それをしたら、よくないことが起こったり、無駄になったりするから)あなたは〜したくない」という感覚なんです。
つまり先に結果の方を想定して、マイナスイメージのことが考えられる場合に相手に忠告する意味で言うんですね。
ご質問文の場合ですと、言わないほうがいいことが前提としてあり、「それを言ってしまったら元も子もないから、そのことを先に考えると、君はそれを言いたくないはずだ」のように、この発言をしている側の考えで相手に対して言っています。
この表現は、今まさに言わないほうがいいことを言おうとしている相手にも使うことができますし、言ってしまった人に対しても言うことができます。すでに言ってしまった人に対しては、「それ以上突っ込むな」という意味にもなります。
★ 英語の感覚が分かれば別の意味の丸暗記にはなりません
しかし、この表現を覚えるときに don't want to で「〜しないほうがいい」という意味になると覚えてしまうのは良くありません。直訳のままで受け入れられるようにしましょう。なぜなら、この表現には肯定文バージョンもあるからです。
・ You want to take this call.「この電話に出たほうがいいよ」
肯定文の場合で want to を使う場合も、前提として「〜すればいいことがあるから、あなたは〜したいはずだ」のように、発言する側が先に良い結果を想定して言う表現なんですね。
この例の場合ですと、サプライズで奥さんを喜ばせようとしている旦那さんが言ったり、新情報を求めている刑事に、先に情報を知っている人が言ったりするわけです。この表現の仕方は実生活でも、海外ドラマや映画でもよく耳にします。
2. go there 「それを言う、その話をする」
この表現はいろんな意味になり得ますが、ご質問文が「ある内容について」なので、「それを言う」のように訳しました。
there が表しているのはもちろん「そこに」ですが、「その領域」などの意味にもなります。今回の英訳例ではこの there を「その話題」として捉え、go there で「その話題に行く(移る)」という意味で使っています。
上記1と2を合わせると「あなたはそこに行きたくない」というのが「それは言わないほうがいい」という意味になるのがわかると思います。そして結果的に「それを言ってはお終いだ」という意味になります。
ご参考になりましたでしょうか。
You shouldn't say thatははっきりと
「それを言っては元も子もない」という
時に使うフレーズです。
That's going too farは文字通りの意味は
「それは度が過ぎる」ですので、
「それを言ってはおしまいだ」と同じ意味に
なります。
go too(a bit) farは「度を越す」という意味の
定型表現ですので、是非この機会に押さえておいて
ください。
参考になれば幸いです。